こんにちは、フィードフォースで広告運用コンサルタントをしている 黒河 です。

「動画広告を出してみたいけど、どんな種類があるのか分からない」
「YouTubeで動画広告を出そうと思っているけど、他にどんな媒体があるんだろう」

こんなお悩みを抱えている方に向けて、動画広告の種類や媒体ごとの特徴をまとめました!

動画広告をおすすめする理由

動画広告市場は今後更に盛り上がっていく

サイバーエージェント、2020年国内動画広告の市場調査を発表 から引用)

サイバーエージェントの調査※1によると、国内動画広告の市場規模は拡大し続けています。

2020年には動画広告に2,954億円の広告費が使われており、2024年までには2.3倍の6,856億円まで成長する見込みでです。特にスマホ向けの動画広告需要は著しく拡大が予想されています。

コロナウイルスの影響で外出する頻度が減り、スマートフォンを利用する時間が増えました。 それに合わせ、巣ごもり需要に関わる商品・サービスやデジタルコンテンツにおいて動画によるプロモーション需要の増加が急成長の原因として考えられています。

1 サイバーエージェント、2020年国内動画広告の市場調査を発表

10年間でスマホ利用時間は4.9倍に増加した

博報堂の調査※2によると、生活者がスマホに接触する時間は2010年から2021年にかけて約4.9倍に増加しました。

男女15~69歳のメディア接触時間は画像のとおり遷移しています。

博報堂 生活者のメディア環境と情報意識(pdf) をもとに筆者にて作成)

また、世代と性別ごとのメディア接触時間は、10年前の2010年時点では20代男性を除くほとんどすべての生活者においてテレビが最も長く接触するメディアでした。

しかし、 2020年時点では男女問わず30代までの生活者においてスマホが最も長く接触するメディアで、40代に関してもテレビと同等の時間をスマホと接触しています。

2 博報堂 生活者のメディア環境と情報意識(pdf)

記事コンテンツよりも動画コンテンツの方が2倍記憶に残りやすい

アメリカの国立訓練研究所の調査※3によると、動画の方が文章よりも2倍深く、長期的に記憶に残る学習につながるとされています。

このことから、商品やサービスの認知を高めたい場合、文章コンテンツより、動画コンテンツの方が効果的だと言えます。

それでは、実際に動画広告を取り入れるにあたって、どんな種類や課金形態、媒体があるのかをご紹介します。

3 動画プロモーションのメリットと効果を最大化させる動画PR | PR GENIC

動画広告の種類は大きく2つ

動画広告の種類は、インストリームとアウトストリームの大きく2つに分けられます。

インストリーム

インストリームは動画中または動画再生の前後に配信される広告で、動画視聴を開始して数秒後にスキップできるものとできないものがあります。再生のタイミングに応じて広告の名称があります。

  • プレロール:動画再生前
  • ミッドロール:動画再生中
  • ポストロール:動画再生後

アウトストリーム

アウトストリームはウェブサイトのバナーやアプリのフィードなど、動画の外で配信される広告です。

平均動画視聴時間はインストリームが16秒でアウトストリームが20秒と、アウトストリームのほうが長く再生される傾向があります。表示される場所によって名称が異なります。

  • インリード:サイト内記事やSNSの投稿などコンテンツの間に表示
  • インバナー:ウェブメディアのバナー広告枠に表示
  • インタースティシャル:ウェブページを遷移する際に表示

このように、大きく2つに分かれている中で数多くのフォーマットがあり、目的に応じてフォーマットを選択できます。

動画広告の課金形態は3つ

動画広告の課金形態は、CPVとCPM、CPC課金の3つ存在します。

CPV

CPVはCost Per Viewの略称で、広告が再生された回数に応じた課金形態です。

媒体によって動画再生の定義はさまざまで、例えばGoogleでは、ユーザーが動画を30秒間視聴したか、30秒経つ前に動画を操作した場合に料金が発生します。

30秒未満の動画の場合、最後まで視聴すると1再生とみなされます。

CPM

CPMはCost Per Milleの略称で、広告が表示された回数に応じた課金形態です。

広告が1,000回表示されるごとに課金され、広告のクリックや動画の視聴などのユーザーアクションは問われません。

CPC

CPCはCost Per Clickの略称で、広告を経由して指定されたページへのクリック数に応じた課金形態です。

ユーザーに広告が表示された場合や広告を最後まで視聴した場合も、クリックが生まれなければ課金されません。

動画広告を配信できる主な媒体

動画広告は、YouTube、Facebook、Instagram、Twitter、LINE、TikTok、GDN、YDA(旧YDN)などにて配信可能です。

今回は主な媒体ごとに月間利用者数や特徴、広告のフォーマットと動画の長さについての規定をまとめました。

YouTube

月間利用者数特徴広告フォーマットと動画の長さ
6,500万人10-40代の80%以上が利用
(10-20代においては利用率90%以上)
動画視聴の意欲が強い
インストリーム
 ・スキップ可能:最長6分(12秒-3分未満が推奨)
 ・スキップ不可:15秒以内
True Viewディスカバリー:任意
バンパー:6秒以内
アウトストリーム:6-15秒
マウスヘッド:30秒(パソコン版のみ)
YouYubeの動画広告の特徴

YouTubeは、Googleが行った調査では18~64歳という幅広い年齢層に「なくなったら最も寂しいプラットフォーム」に選ばれています。

幅広い年代層に豊富な広告フォーマットを駆使してアプローチできる点が魅力です。

月間 6,500 万ユーザーを超えた YouTube、2020 年の国内利用実態──テレビでの利用も 2 倍に – Think with Google

Facebook

月間利用者数特徴広告フォーマットと動画の長さ
2,600万人 30-50代ビジネスパーソンが多い
InstagramやTwitterと比較して最も60代が多い
フィード:1秒-241分
ストーリーズ:1-120秒
インストリーム:5-10分
Facebookの動画広告の特徴

実名制のSNSであり、ターゲティングの精度が高い点が特徴です。

「友人や知人の近況を知りたい」という人との繋がりを求めて利用され、SNSの中では珍しくシニア層にもアプローチできます。

動画以外の広告メニューも豊富なので、動画で認知を高め、サイトに訪問したユーザーに対してリターゲティング配信を行うことをおすすめします。

Facebook Media Guide 2021年下期(7-12月版)より

Instagram

月間利用者数特徴広告フォーマットと動画の長さ
3,300万人 15-29歳ユーザーの半数以上が女性
40-50代利用者の増加率も高い
行動を促す効果が大きい
フィード:1秒-60分
ストーリーズ:1・秒-60分
発見タブ:1秒-60分
リール:0-30秒
Instagramの動画広告の特徴

若年層女性ユーザーの利用率が高いという点が特徴です。ファッションやコスメ、グルメといった興味関心ごとに基づいて閲覧したいユーザーが多く、投稿された画像や動画をもとに視覚的なコミュニケーションが行われるSNSなので、視覚的な魅力が伝わりやすい動画との相性が良い広告媒体です。

Facebook Media Guide 2021年下期(7-12月版)より

Twitter

月間利用者数特徴広告フォーマット動画の長さ
4,500万人 10-20代の約70%が利用
リアルタイム性、拡散性に優れている
リツイートされた広告に対する
アクションで広告費は発生しない
プロモビデオ
・ビデオウェブ
・サイトカード
・ビデオアプリカード
インストリーム
1-140秒
(15秒以下推奨)
Twitterの動画広告の特徴

「いま、何が起きているのか」といったニュースや情報をリアルタイムで知ることを目的に利用されるため、拡散性が高いという特徴をもちます。

リツイートされた広告に対するアクションでは広告費が発生しないため、拡散してもらいやすいクリエイティブを作成できると広告費以上の成果が出る可能性がある媒体です。

【2021年9月版】人気ソーシャルメディアのユーザー数まとめ|We Love Social

LINE

月間利用者数特徴広告フォーマット動画の長さ
8,900万人 国内SNSの中で最もユーザー数が多く、他の媒体ではリーチできないユーザーにアプローチできる
60代以下の85%以上が利用
Card
Square
Vertical
5-120秒
LINEの動画広告の特徴

提携しているアプリのユーザー数を入れると、国内で毎月1.1億人が利用しており、国内SNSの中で圧倒的にユーザー数が多い点が特徴です。

アプローチできるユーザー数が多いため、新規獲得率が高い媒体です。

LINE Business Guide 2021年7月-12月期

TikTok

月間利用者数特徴広告フォーマット動画の長さ
950万人10-20代が半数以上
SNSの中で最も月間平均消費時間が長い
Top View
・フィード
5-60秒
(9-15秒推奨)
LINEの動画広告の特徴

モバイル向けショートムービーアプリで、広告動画への好感度が高い点が特徴です。

Kantar社による広告好意度ランキングで1位を取っており、関心のなかったブランドを好きになったことがあるという声や、ストレスを感じないという声が多い媒体で、ブランディングに有効な媒体です。

【随時更新】主要 SNS のユーザー数や年齢層をご紹介!この商材、広告出稿するならどの SNS 広告? | 株式会社グラッドキューブ

GDN(Google ディスプレイネットワーク)及び YDA(旧YDN、Yahoo!広告 ディスプレイ広告)

月間利用者数特徴広告フォーマット動画の長さ
不明30~50代のビジネスパーソンが多いGDN:アウトストリーム
YDA:レスポンシブ
5-60秒
LINEの動画広告の特徴

GoogleとYahoo!で広告を掲載できるウェブサイトや動画、アプリに配信される点が特徴です。

GDNに関しては、優れた機械学習によって広告の入札やオーディエンスを自動最適化してくれます。

また、YDAに関しては提携している各種新聞社やkurashiru、クックパッドといった有名なアプリやウェブサイトなどのネットワークに動画広告を配信できます。

RTB House

他にも、ABEMA(旧称Abema TV)やTVerなどの動画サイトやダイナミックバナーの箇所に配信できるRTB Houseという媒体もあります。RTB Houseの動画配信面についての詳細はこちらの記事から知ることができます。

動画広告の媒体や種類の選び方

「動画広告の種類や媒体は分かったけど、いろいろある中でどう選べばいいか分からない」
という方に向けて媒体や種類の選び方をまとめました。

ターゲット像を明確にし、ターゲットに近いユーザーが多い媒体を選ぶ

広告を配信するにあたり、ターゲットに近いユーザーが多い媒体を選びましょう。

今回の記事で動画広告を配信できる8つの媒体について紹介しましたが、それぞれユーザー層が異なることが分かったのではないでしょうか。

例えば若年層向けに価格帯の高い衣服を販売している場合、Instagramをおすすめしますし、シニア層に向けて認知を獲得したい場合はLINEやFacebookをおすすめします。

広告を配信する目的に応じて動画フォーマットを選ぶ

認知の獲得や商品の販売など、広告を配信する目的に応じてフォーマットを選びましょう。

例えば、より多くの人の認知を高めたい場合、プレロール広告が良いです。

その理由は、ミッドロールやアウトストリームと比較した際、プレロールは最もコンテンツの視聴を邪魔しない広告だと認識されているからです。

実際、ネオマーケティング社が20~69歳の男女1000人を対象に行なった調査*4によると、動画広告の嫌いな点について、81.9%の人が動画の視聴を邪魔される点と回答しています。

4 20歳~69歳の男女1000人に聞いた「動画広告の接し方に関する調査」

認知の獲得に対して商品の販売といった、より直接的な行動を促したい場合、ポストロールかインリード広告が良いです。

ポストロールは、ユーザーがコンテンツ視聴を終えたタイミングで最後まで再生されやすく、インリードは、記事コンテンツの一部のように動画を見せられるからです。

動画広告を成功させるためのポイント

動画広告の配信を開始して目的を達成するためのポイントを2つ紹介します。

広告の配信結果を定期的に確認し、結果に応じて動画を差し替える

一度動画を作成して配信すれば終わりではなく、配信結果に応じて動画の差し替えを行いましょう。

他の広告も同じですが、広告の文章や動画には賞味期限が存在します。

配信を開始したときは効果が良かったクリエイティブも、配信してしばらく時間が経つころには効果が良くないという事態が起こります。

継続的に目的を達成するためには、ユーザーが飽きないように動画を差し替えるといった工夫が必要です。

他の広告と掛け合わせる

動画広告の配信目的だけでなく、事業の最終的な目標を考慮し、他の広告と掛け合わせて配信しましょう。

認知の獲得や商品の販売など、動画広告を配信する目的はさまざまですが、継続的に広告を成功させるためには動画広告以外の方法で工夫する必要もあります。

例えば、認知の獲得を目的に動画広告を配信する場合、商品の販売を行うためにリスティングやダイナミック広告の配信をおすすめします。

また、商品の販売を目的に動画広告を配信する場合、動画広告をクリックしてサイトに遷移した後、購買に至らなかったユーザーに対してリマーケティングを行うこともできます。

このように、動画広告を成功させるためには、配信結果の定期的な差し替えや他の広告との掛け合わせが必要です。

まとめ

ここまで動画広告の種類や媒体、成功のために気をつけるべきことを紹介しました。

ここ数年間で動画広告は認知の獲得だけでなく、直接的な商品の販売にも有効な手段となっています。ぜひ紹介した情報をもとに動画広告の配信を検討してみてください。