いまや日本ではメールに代替するコミュニケーションツールとして生活インフラの一部となっているLINE。月間アクティブユーザー数は8,600万人以上、日本の人口の68%以上をカバーしているとされています。

そんなLINEがもつ膨大なユーザーデータをより効果的に活用するために注目されている「LINEクロスターゲティング」機能。今回は、LINE社が描く構想からクロスターゲティングの事例・活用ポイントをご紹介します。

LINEクロスターゲティングとは

LINE公式アカウント、LINE広告、LINEポイントAD、それぞれで取得したデータやオーディエンスを、プロダクトを横断して活用できる機能です。

これまでプロダクトごとにデータの蓄積・活用が閉じていましたが、クロスターゲティング機能を活用することにより、プロダクト横断で相互にデータを利用することが可能となりました。

LINE社が描く、クロスプラットフォーム構想

任意項目「brand」をクリエイティブに活用
(画像引用:https://www.linebiz.com/jp/service/cross-platform/

このLINEクロスターゲティングは、LINE社が掲げている「クロスプラットフォーム構想」のひとつです。

LINEが展開している複数の法人向けサービス間で、ユーザーのデータを横断的に活用できるプラットフォームを構築するというもの。

先に述べたLINEクロスターゲティングに加え、将来的には位置情報・来店データを活用したメッセージ配信や、サービスを横断したレポーティングなども可能になる予定です。
クロスプラットフォームの構築が進むことで各サービスから得られた膨大なデータをもとに最適化が可能となります。

利用可能なLINEプロダクト

現在このLINEクロスプラットフォーム構想のうち、データ横断活用ができるのはLINEポイントAD、LINE公式アカウント、LINE広告の三つのプラットフォームです。

それぞれのサービス概要とクロスターゲティングで活用できるデータをご紹介します。

LINEポイントAD

LINEポイントADは、友だち追加や動画視聴など特定の条件をクリアしたユーザーにLINEポイントを付与できるサービスです。LINEポイントのインセンティブをフックとし、ユーザー獲得やサービス認知を促進させることが可能となります。

データタイプ内容
Point CVLINEポイントADを実施した際のコンバージョンユーザー
Point ClickLINEポイントADを実施した際のクリックユーザー
Point transactionLINEポイントADを実施した際のLP遷移ユーザー
活用できるデータ

LINE公式アカウント

LINE公式アカウントは、企業や店舗がLINE上にアカウントを作り、友だちとして登録されているユーザーにさまざまな情報を届けられるサービスです。アカウントは無料で作成でき、現在37万を超える企業や店舗が販売促進や集客に利用しています。

データタイプ内容
Message impメッセージを開封したユーザー
Message Clickメッセージをクリックしたユーザー
Chat tagLINEチャットで付与したtagリスト
友だち追加経路友だち追加経路別のリスト
IDFA uploadアップロードしたIDFAリスト
活用できるデータ

LINE広告

データタイプ内容
ウェブトラフィックLINE Tagを設置した任意のサイトに訪問したユーザー
モバイルアプリアプリないで発生したイベントを元にしたユーザー
動画視聴LINE広告の配信で使用した動画素材の視聴ユーザー
活用できるデータ

※IDFA/AAIDアップロード、電話番号アップロード、メールアドレスアップロード、LINE公式アカウントの友だちオーディエンス、類似オーディエンスは共有されません。
( 参考:LINE Business Guide 2021年1〜6月期版 v1.5 )

現在可能なデータ連携

クロスターゲティングが利用できる三つのプロダクトについてご紹介しましたが、2021年2月時点ではこれらのプロダクト間すべて相互にデータ連携の実現はされていません

可能なデータ共有は大きく2種類です。

まず、LINE公式アカウント・LINEポイントADデータのLINE広告への活用です。
LINE公式アカウントやLINEポイントADで得たユーザーデータを活用することで、これまでタグベースで取得できなかったユーザー情報をもとに広告配信設計をカスタマイズできます。

そして二つ目が、LINE広告のオーディエンスのLINE公式アカウントへの活用です。こちらは2021年1月に新たに活用できるようになりました。LINE広告の管理画面で作成したオーディエンスを、広告アカウントに紐づいているLINE公式アカウント、またはLINE公式アカウントのベーシックIDやプレミアムIDに紐づくMessesingAPIで利用できます。
( 参考: LINE Business Guide 2021年1〜6月期版 v1.5 )

クロスターゲティングの活用例

このようにデータ連携方法クロスターゲティング機能ですが、実際にどのような目的・シーンで活用できるのでしょうか。広告配信の課題別にご紹介していきます。

<リターゲティング編> よりモチベーションの高いユーザーへ広告配信したい

既存顧客をコンバージョンに繋げるためにリターゲティング広告を配信している方は多いと思いますが、費用対効果を高めるならよりモチベーションの高い既存ユーザーへのリーチ率を高めたいですよね。

クロスターゲティングを利用することで、LINE公式アカウントでメッセージ開封やクリックなどのアクションをとったモチベーションの高いユーザーをリターゲティングできます。

<新規獲得編> 新規ユーザー向け配信の無駄打ちを減らしたい

新規ユーザーへの認知拡大を目的とする広告配信を行いたいのに、既に自社サービスを認知しているユーザーへ配信されてしまうことに課題を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

クロスターゲティング機能を活用すれば、既にLINEの公式アカウントのメッセージを開封したユーザーを除外設定し、既存顧客への配信を減らすことが可能になります。

さらに公式アカウントでID連携施策を実施している場合は、公式アカウントID連携済みユーザーから利用実績のあるユーザーを除外し、より高精度で既存会員を除外することも可能です。

タグベースでのコンバージョン除外だけでは、既存ユーザーを除外しきることが難しいので、公式アカウントの情報を含めることでより新規率を高めた無駄の少ない配信設計になるでしょう。

<友だち獲得編> LINE公式アカウント友だち獲得向け配信(CPF)の獲得効率を上げたい

LINE広告のひとつに、LINE公式アカウントの友だち獲得を目的としたCPF配信があります。このCPF配信の獲得効率を上げる施策として、既存のLINE公式アカウントのオーディエンスデータを利用することが可能です。

例えば、LINE公式アカウントでメッセージ開封やクリックなどのアクションをとったモチベーションの高い友だちの類似オーディエンスへ配信できます。ロイヤリティーの高いユーザーへ配信できるのでCPF配信の費用対効果も改善することが期待されます。

<リテンション編> 休眠ユーザーをコンバージョンに繋げたい

LINE広告からアプリダウンロードに繋げられても、その後1度開いただけで休眠化してしまっているユーザーはいませんか?

このような場合、利用していないユーザーのIDFAリストをLINE公式アカウントオーディエンスとしてアップロードし、LINE広告でリターゲティング配信が可能です。広告管理画面上のオーディエンス設定では選択できない、休眠ユーザーに絞ったオーディエンスを作成することが可能となります。

クロスターゲティングの成果を加速させる、ID連携

ここまでクロスターゲティングの具体的な活用事例をお伝えしてきましたが、クロスターゲティングの成果をさらに加速させるのがLINEのID連携です。

ID連携とは、自社サービスの会員IDとLINE公式アカウントを紐づけることです。これにより、LINEのクロスプラットフォームのデータに、自社が保有する自社会員のユーザー情報を掛け合わせることができ、より膨大なデータを元にした最適なCRM施策が可能となります。

最後に

以上、LINEクロスターゲティングについて、LINE社の持つ構想から事例・活用ポイントまでお伝えしてきました。Cookieの利用規制をはじめとしてユーザーのデータ活用が厳しくなっている昨今、クロスターゲティングの利用がますます他社との差別化に繋がることが予測されます。ぜひ、活用してみてください。