例えば、とあるアパレル店舗でボーダー柄のシャツを探していたものの、イメージしていたデザインが見つからなかった。
そんな時、その様子を察した店員さんから「ボーダーのシャツをお探しなら、他にもこんな商品がありますよ!」と、沢山の商品の中から自分のイメージと近い商品をお勧めされたら、ついチェックしたくなりますよね?
パーソナライズ・レコメンデーションサービスを展開するデクワス(サイジニア)が提供するKANADE DSPは、新たに「ビジュアルターゲティング」をリリースしました。
それはまさに、上記のような実店舗での接客に近いコミュニケーションを、広告を通してユーザーへ提供できる機能です。
今回は、KANADE DSPの基本的な特徴から、新しくリリースされたビジュアルターゲティングの詳細と、その活用イメージまで幅広く解説していきます。
特にアパレル商材を扱っているEC企業のマーケティングご担当者様であれば、知っておいて損は無い情報になっておりますので、ぜひご一読くださいませ!
KANADE DSPとは?
KANADE DSP(カナデ DSP / 以下、KANADE)は、サイト内レコメンドサービス「デクワス.RECO」などを展開するサイジニア株式会社の子会社、デクワス株式会社が提供する運用型広告のDSPです。
デクワス事業で培った、ユーザー行動やデータ解析技術を広告配信に活用し、他のDSPとは異なる独自のアプローチで効率的にユーザーをサイトへ誘導します。
基本的な配信メニューは主に以下の3つです。
①:パーソナライズリターゲティング
サイト訪問ユーザーへ、データフィードを活用したダイナミック広告を配信します。
KANADEのレコメンドロジックは「複雑ネットワーク理論」を用いた独自のアルゴリズムを使用しています。
一般的なレコメンド広告のように人気のアイテムに配信が偏重するのではなく、ユーザーの趣向性に基づいて様々な商品を配信することで、潜在ニーズの掘り起こしが可能となり、顧客単価のアップに有効とされています。
また、こうしたユーザーの行動履歴を分析した商品のレコメンドだけでなく、画像解析によるレコメンドも組み合わせ、より短い期間でより多くのCV獲得に貢献できます。
②:オーディエンス拡張
既にサイトを利用している優良顧客の行動履歴を分析し、類似した行動をとっているユーザーへ広告を配信します。
リターゲティングではリーチできない、新たな潜在顧客の流入に効果を発揮します。
③:プロファイルターゲティング
年齢、性別、興味・関心といったユーザーや広告配信面の属性を指定して、広告を配信します。
外部のDMPとも連携しており、狙ったユーザー属性群へ的確に広告を届けることが可能です。
新メニュー:ビジュアルターゲティングとは?
デクワス社の強みを生かした、新たなレコメンデーションロジックです。
画像解析のAI技術を駆使し、データフィードに含まれる大量の画像データから、各商品の類似性を分析し、ユーザーが見た商品と似ているデザインの商品を広告で表示します。
これにより、冒頭でご紹介したような「チェック柄を見ている人にはチェック柄の商品を」「白のワンピースを探している人には白のワンピースを」というように、一人ひとりの好みに合わせて広告内の商品を適切にレコメンドすることが可能になります。

また、このビジュアルターゲティングは以下2つの特長を持っています。
①:配信最適化までの期間が短い
ビジュアルターゲティングの場合、あらかじめ商品の画像データを分析した上でユーザーの閲覧商品に近い商品を広告で配信するため、事前の行動履歴の收集・分析が不要です。
そのため、配信開始後からパフォーマンスのトップギアまでの期間が非常に短いという特長があります。
②:ロングテールの売上拡大に貢献
一般的なレコメンドエンジンのロジックである行動履歴型(協調フィルタリング)では、閲覧回数が多いような、人気のある商品に配信が寄ってしまう傾向があります。
対してビジュアルターゲティングは、商品画像のデザイン性に注目し全ての商品を分析した上でレコメンドするため、閲覧数や販売件数が少ない商品でも、ユーザーが見た商品と近いデザインであれば広告として配信します。
それにより、売れ筋商品に押され埋もれてしまっていた商品の発掘に繋がり、売上のベースアップに貢献できます。
実際の配信事例では、ビジュアルターゲティングと行動履歴型とを比較した際に、ROAS、CVR、CPA、どれにおいても良好な結果が得られたという実績があります。

いずれもKANADEのレコメンドロジックによる比較となります。
アパレル企業にお勧め!その理由は?
このビジュアルターゲティングを最大限に生かせるのは、多くのデザイン・アイテムをお取り扱いされているアパレルのEC企業様です。
その理由としては主に以下2点が挙げられます。
理由①:画像から類似の色・柄・形を判別でき、高いレコメンド性能が期待できる
データフィードにも色や柄を入力する項目が存在する広告媒体があり、その情報も配信に活用されています。
しかしながら、アパレル商品の色・柄の表現は非常に多くの幅があるかと思います。
例えば、白系でも「アイボリー」「オフホワイト」「キナリ」など、様々な表記が存在しているため、色情報を配信に活用するなら全て「ホワイト」に統一する必要があったりするなど、少しハードルは高めでした。
それに対して、画像から商品を分析するKANADEのビジュアルターゲティングであれば、データフィード上ではバラバラの色情報が入っていたとしても、見た目で色・柄・形が近しい商品を自動でピックアップしてくれるので、フィード情報だけの配信と比較して高いレコメンド性能が期待できます。
理由②:既存施策とは異なるレコメンドロジックにより、新たな売上創出が期待できる
リターゲティングのダイナミック広告では、Criteo や GDR(Google ダイナミックリマーケティング)など、同様の施策を既に実施されている企業様がほとんどかと思います。
しかしながら、広告経由でどのような商品が購入されているのかを分析すると、元々人気のある、広告をしなくても購入されるような商品に購入結果が寄っているケースもございます。
そのような場合にはKANADEのビジュアルターゲティングが効果的です。前述しましたロングテール商品の露出機会が増えることにより、これまで売れ行きが低迷していたような商品の販売数が拡大し、売上のベースアップに貢献できる可能性は非常に高いと考えております。
また、初速の良いビジュアルターゲティングと、データが溜まると効果を発揮する行動履歴型の2つを並走させることもできます。長期間に渡り成果を求める場合は、最初から並走させることを推奨します。
まとめ
今回は、実店舗での接客に近いという「ビジュアルターゲティング」をご紹介いたしました。アパレル商材に特化した機能ではございますが、昔から話題に持ち上がっている「リターゲティング広告の必要性(広告を配信しなくても購入したのでは?というテーマ)」に対する1つの答えのようにも感じます。
既に見た商品や人気の商品を広告で押し売りするのではなく、ユーザーの気持ちに寄り添った「コミュニケーション」ができるという点で、これまでとは少し立ち位置を異にした広告手法となっております。
今後の新たな施策の1つとして、お試しされてみてはいかがでしょうか。