Instagramにおいて、収益化を目指すクリエイター(インフルエンサー及びパブリッシャー)をサポートするためのさまざまな機能拡充が進んでいます。
先月開催されたHouse of Instagramでは、クリエイターの収益化をサポートするための各種プログラムに対し、2022年までに10億ドル(約1,100億円)を出資する計画についても言及されました。
これは一方で、事業主がクリエイターやインフルエンサーとのパートナーシップを築き、彼らの影響力・発信力をビジネスの成果へとつなげる機会が広がることを意味します。
- クリエイターとビジネスがコラボレーションしやすい仕組み・機能を拡充
- クリエイターはInstagram内で収益化が可能に
- ビジネスはブランドコンテンツを活用してビジネスの成果につなげる
今回は、事業主が知っておきたい「ブランドコンテンツ」の概要や機能、ブランドコンテンツの活用方法、インフルエンサーの収益化についてご紹介したいと思います。
Instagramブランドコンテンツとは?
ブランドコンテンツとは、ビジネスと協業関係にあるクリエイター(インフルエンサー及びパブリッシャー)が行う、広告主とのタイアップによる投稿です。
クリエイター(インフルエンサー及びパブリッシャー)は、自身の投稿に「ブランドコンテンツタグ」を付け、ブランドコンテンツを投稿します。
ブランドコンテンツタグが付与された投稿は、ユーザーネームの下に「(ビジネス・ブランドの名前)とのタイアップ投稿」と表示され、商業目的のPR投稿であることが明示されます。(Instagramの場合)

事業主のブランドコンテンツ活用メリット
- 自社アカウントのフォロワー以外のユーザーに広くリーチできる
- インフルエンサーの言葉や表現力を活かした投稿で自社ブランドや商品の魅力を伝えられる
- ブランドコンテンツ投稿から、自社アカウントのInstagramプロフィールへの導線を用意できる
興味をもったユーザーは、ユーザーネームの下の「(ビジネス・ブランドの名前)とのタイアップ投稿」をタップするとブランドのInstagramプロフィールへ遷移します。ブランドコンテンツの投稿をきっかけに興味をもったユーザーが、ブランドや商品のことをより詳しく知るきっかけになります。
現在、ブランドコンテンツタグは、フィード、ストーリーズ、リール、Liveで利用できます。

ブランドコンテンツ広告:リール広告も可能に
クリエイター(インフルエンサー及びパブリッシャー)が投稿したオーガニックのブランドコンテンツ投稿を広告として利用するのがブランドコンテンツ広告です。
ブランドコンテンツ広告はクリエイターのアカウントから配信され、協業関係にあるビジネス、もしくはクリエイター自身が広告配信できます。
この広告には「インフルエンサーとのタイアップであること(Paid partnership with ×××)」の表記と「広告(Sponsored)」のラベルが明示されます。

事業主のブランドコンテンツ広告活用メリット
- クリエイターの表現力を活かした広告を配信できる
- 広告主やインフルエンサーのフォロワー以外のユーザーに広くリーチできる
- 広告の効果測定が可能
ブランドコンテンツ広告はフィードとストーリーズに加え、あらたにリールにおいても配信可能となります。
リールは音源やARカメラエフェクト、その他クリエイティブツールを使って作成できる最長60秒の短尺動画で、Instagramの中でも人気のコンテンツです。
短尺動画かつ自由度の高い表現が可能なリールは、ブランドコンテンツ広告と相性がいいと思います。
- ブランドコンテンツ広告を利用してInstagramクリエイターのコンテンツを宣伝する | Instagram for Business
- Instagram、ブランドコンテンツ広告をリールに拡大、米国ではアフィリエイト機能を利用中のクリエイターがショップを開設できるテストを開始 – Facebookについて
インフルエンサーの収入化支援を強化
アフィリエイト機能
米国では、2021年6月より一部のクリエイターによって、アフィリエイト機能のテストが開始しています。
Instagramのアフィリエイト機能とは、クリエイターが自分の投稿にアプリ内決済が可能な商品をタグ付けし※、その投稿が売上に貢献した場合、コミッションを受け取れる機能です。
※チェックアウト機能に対応している商品のショッピングタグ(商品名や価格を表示し、商品詳細ページに遷移できるタグ)
クリエイターによる、タグ付けされた商品を掲載した投稿には「eligible for commission(訳:コミッション対象)」と明示されます。

Instagramのアフィリエイト機能は、Instagramアプリ内で決済まで完結するネイティブのアフィリエイト機能である点に注目です。
従来の成果報酬型アフィリエイトの多くは成果の計測にCookieを利用しています。
そのためITPによるCookie規制の影響が懸念されており、その対策を迫られています。
一方、Instagramのアフィリエイト機能はInstagram内ですべてが完結するため、この影響を受けることはありません。
アフィリエイト機能の日本での導入は未定ですが、今後の動向に引き続き注目していきたいと思います。
クリエイターがショップ機能を利用可能に
今後、アフィリエイト機能のテストに参加している米国の一部クリエイターは、Instagramショップを開設できるようになります。
ショップでは、アフィリエイト機能を利用して紹介している商品をまとめて表示したり、コレクションを利用して効果的に紹介できます。

- New ways for creators to make a living | Instagram Blog
- New Ways for Creators and Brands to Connect and Collaborate on Instagram | Instagram for Business
さいごに
今年になってInstagram内で収益化を目指すクリエイター(インフルエンサー及びパブリッシャー)をサポートするためのさまざまな機能拡充が活発化している印象です。
仕組みが整備されることで、ビジネスとクリエイターのパートナーシップを活用し双方にとってメリットとなる取組みが増えていくかもしれません。