こんにちは!フィードフォースで広告運用コンサルタントをしている杉崎です。

ECサイトにとって重要な施策であるGoogleショッピング広告。他の施策には無い優れた特徴を持ち、安定した成果を獲得できることから、弊社でも人気の広告施策です。

ところが、その特徴やメリットを活かしきれず、少しもったいないケースがあるように感じています。それは、「人気の売れ筋商品をPRしたい!」と、特定の商品だけをGoogleショッピング広告で配信するといったケースです。

もちろん、ショッピング広告の特徴やメリットを理解し、目的を持った上で配信商品を絞っているのであれば問題ありません。

そうではなく、最終的な目標がROAS最大化など売上額や費用対効果を目指すようなKPIであるにも関わらず、ECサイト内でよく動く人気商品だけを配信しているような場合は、もしかすると、売上を伸ばす大きなチャンスを逃してしまっているかもしれません。

今回は、Googleショッピング広告で配信商品を絞るともったいない理由と、その実例をお伝えいたします。

多くの商品を配信する=検索語句に対する網羅性を高め、Googleショッピング広告の特徴を活かす

結論を先にお伝えします。

Googleショッピング広告では可能な限り多くの商品を配信しましょう!Googleショッピング広告では、可能な限り配信する商品数を増やし、検索語句に対する網羅性を高めることがポイントです。

ユーザーは日々さまざまな検索をします。中には「え、こんなキーワードで検索するの?」といった検索語句からコンバージョンに至ることもあります。

このようにロングテールのキーワードまで網羅できることがGoogleショッピング広告の最大のメリットです

主に実店舗などでは、パレートの法則の「商品の売上の8割は、全商品銘柄のうちの2割で生み出している」という考えのもと、売れ筋商品に注力する手法がよく用いられます。

一方、ショッピング広告では、下図で言う青枠部分(売れ筋商品部分)だけでなく、赤枠部分(動きの少ない商品)となるロングテールエリアもしっかりPRでき、売上を最大化させることができます

ロングテールに強いGoogleショッピング広告

そのため、商品数が多ければ多いほど検索語句に対するカバレッジ(網羅性)が広がり、ショッピング広告のメリットが活きてくるのです。

また、網羅性を高めるためには、データフィード(フィード)の情報を充実させることも大切なポイントです。

データフィード内の1つ1つの商品データも可能な限り多くの情報を記載しましょう。

検索語句と商品データ内のどの部分とを関連付けているかはGoogleから明示されていません。ただ、Google Merchant Center のヘルプ記事にある「商品データの属性」に記載されている必須項目だけでなく、任意項目も含め可能な限り多くのデータを含めることが広告効果を高めることに繋がります。

一方、データの充実は、意図しないキーワードで広告が配信されてしまう可能性も高まります。

そのため、定期的にGoogle広告管理画面の検索語句レポートで「どんな検索語句で広告が配信されているか」を確認し、意図しない検索語句については除外するなど、定期的なメンテナンスが重要です。

検索語句は、「ショッピングキャンペーン」→「キーワード」→「検索語句」で確認可能です。

表示させたくないキーワードがあった場合は、その検索語句にチェックを付け「除外キーワードとして追加」をクリックすれば登録完了です。

Google広告管理画面の検索語句レポート
Googleショッピング広告 検索語句レポート

また、何らかの理由で広告を配信したくない商品がある場合は、「非掲載先 [excluded_destination] 」属性で「Shopping_ads [ショッピング広告]」と入力すれば、ショッピング広告で配信されなくなります。

動的リマーケティング(GDR)とショッピング広告で、配信する商品やクリエイティブを変えたい場合も、データフィードでそれぞれのカラムを用意し、異なる配信設計にできます。

このように、商品数が多くなったとしても、要望に応じて細かくコントロールできるので、商品数を増やすことによるデメリットは、ほぼ取り除けると思います。

Googleショッピング広告、商品数の拡大による成果改善事例

事例1:専門商材ECサイト|配信する商品カテゴリの拡大でCV数、売上、ROASが数倍上昇

商品数を拡大させて成果が大きく変化した事例を2つご紹介します。1つ目は、特定のカテゴリに特化した専門商材を扱うECサイトの事例になります。

「利益率の高い売れ筋商品を配信したい」という意向でGoogleショッピング広告を開始しました。

競合製品と比べると価格も安く、実際にサイトでも売れ筋の商品ではあるのですが、結論としては売上を大きく伸ばすことができませんでした。

その後、配信する商品カテゴリを拡大させた結果、CV数、売上、ROASが数倍上昇するなど、成果が大きく改善しました。

商品数拡大の前後比較(2週間)の成果を表にまとめたのでご覧ください。

結果
商品数16倍
配信金額1.6倍
CV数5.17倍
CVR0.3ポイント上昇
CPA70%抑制
売上3.3倍増
ROAS1,981ポイント上昇

主要な要因としては以下があげられます。

  • 商品数拡大により、機械学習の種も増加したことで配信が効率化された
  • これまでは高価格帯の商品が中心だったが、低価格帯の商品が増えたことでCVRが上昇し、より学習が進んだ
  • 検索に対する網羅性が高まったことで配信量が増加し、広告費を多く投下できた

少し偏った商品データ構成だったことから、商品拡大前は商品数拡大の効果をある程度予想していたものの、運用していた私自身、ここまで成果が変わるものかと驚きました。

事例2:アパレルECサイト | 新たなユーザー層の獲得に貢献

2つ目はアパレルECサイトでの事例です。様々なブランドを販売しており、自社ブランドでは、各メーカーとコラボレーションによるオリジナル商品も展開しています。

自社ブランドの方がROI(投資利益率・費用対効果)が高く、その中でも一番の売れ筋商品に絞ってGoogleショッピング広告を開始しました。

その後、商品を絞らず全商品で配信を始めたところ、開始前はわずかしか動きのなかった自社ブランド以外のある高額商品が、Googleショッピング広告経由で一気に売れるようになり、その商品に限っては前後比較で5倍以上の販売数となりました

サイト全体の平均購入価格も約2倍になり、明らかにこれまで集客できていなかったユーザー層の獲得に繋がったと考えています。

2つの事例どちらにも言えることは、事業者側が販売したい・売れると思っている商品と、ユーザーが求める商品は、必ずしも一致しないということです。

特に2つ目の事例を深堀りすると、

  • 売れた商品は他サイトでの販売実績が少ない
  • Googleショッピング広告の掲載も僅か
  • 競合サイトの方が販売価格が高い

つまり、探している・欲しがっている人は多いという隠れた売れ筋商品だったのです。

また、これまでECサイトでは全く売れなかった商品が、Goolgeショッピング広告経由では売れた、というケースもよくあることです。

このように、Googleショッピング広告のメリットはロングテールに強い点です。そのメリットを最大限に活かすには、可能な限り配信する商品数を増やし、検索語句に対する網羅性を高めることがポイントです。

現在広告していない商品の中にも、隠れた人気商品が眠っている可能性は十分にあると思います。

とはいえ、特定商品の売上を伸ばしたい!そんな時は?

それでも、ROIが低い商品ばかりが沢山売れても困る、そんな状況もあると思います。その場合は、「商品グループ」を活用しカテゴリ別で入札の強弱を付け、配信量をコントロールしましょう

Google広告管理画面で「ショッピングキャンペーン」を選択すると、「商品グループ」というメニューが表示されます。

何も設定していない場合は、「すべての商品」のみが表示されている状態ですが、マウスオンすると表示される「区分を編集」をクリックすると、商品を属性ごとに分割できます。

Googleショッピング広告 商品グループ
Googleショッピングキャンペーン>商品グループ

「カテゴリ」「ブランド」「アイテムID」など、データフィードで設定している情報を元にカテゴライズされた商品グループを選択し、それぞれ入札単価を設定できるようになります。

Googleショッピング広告 商品グループ
Googleショッピング広告 商品グループ

例えばROIの高い商品グループの入札価格を高く設定し、ROIの低い商品グループは低くする、といった調整が可能になります

また、設定した商品グループ毎のクリック数やコンバージョン数はもちろん、競合指標である「インプレッションシェア」や「クリックシェア」「インプレッションシェア損失率(ランク)」なども確認できます。

そのため、競合と比較した場合に、どの程度広告が配信されクリックされているのかを、販売を強化したい商品群別で把握できるので、配信結果の分析や改善に活かせます。

※ 注意点 ※

商品グループでの入札価格変更は、入札戦略で「個別入札戦略」を選択している場合にのみ利用可能な機能です。自動入札戦略を選択している場合は使用できません。(数値のレポーティングは可能)

また、上限クリック単価は「広告グループ」単位でも変更可能ですが、「商品グループ」単位で変更を加えた場合、「商品グループ」単位が優先されます。「商品グループ」で上限クリック単価を設定している場合は「広告グループ」で価格を変更しても適応されませんので、その点は特にご注意ください。

まとめ

今回は、Googleショッピング広告における商品データ数の違いによる成果について、解説しました。

ベストな配信設計をするには、まず前提として広告施策の特性を適切に理解していることが特に大切です。

またGoogleショッピング広告に限らず、商品データ(データフィード)を活用した広告施策においては、データ量は多ければ多いほど成果に好影響をもたらすケースがほとんどです。

データ量が増えるほどその整備は大変になると思いますが、頑張った分は必ず成果として返ってきますので、ぜひ前向きに取り組んでいただければと思います。