こんにちは!
フィードフォースで広告運用コンサルタントをしている 中嶋果歩 です。
Googleプラットフォーム上のDiscover、YouTube 、Gmailに配信できるGoogle ファインド広告は2020年にリリースされた比較的新しい広告メニューです。
Cookieに依存せず、Googleプラットフォーム上で精度の高いターゲティングを実現可能できるということからも注目されています。
今回は「ファインド広告」について、その特徴や主な仕様、入稿方法をご紹介していきたいと思います。
Googleファインド広告とは?
Googleファインド広告(ファインドキャンペーン)は、GoogleのDiscover、YouTubeホームフィード/次のおすすめフィード 、Gmailに、画像とテキストで構成されたネイティブ広告で、見込みの高い新規顧客に幅広くアプローチできる広告メニューです。
Googleのログインユーザー情報をもとに広告が配信されるため、精度の高いターゲティングを実現できることからも注目されています。
Googleファインド広告全体でアプローチできるユーザー数は月間30億人にものぼるとされています。※
ファインド キャンペーンについて|Google 広告 ヘルプ より
ファインド広告のメリット
Cookieに依存しない高精度なターゲティング
Googleアカウントにログインしているユーザーの検索履歴や閲覧履歴などユーザーの意向シグナルを学習データとし、これらの情報をもとに広告を配信します。
つまり、今制限されつつあるCookieに頼らずともユーザーの興味・関心を学習として蓄積でき、Googleプラットフォーム上で精度の高いターゲティングを実現可能です。
検索だけでは獲得できないより多くの顕在層にアプローチできる
ファインド広告は、ユーザーが新しいブランドやサービスを発見するために設計されたプロダクトです。
Discover、 YouTube ホームフィード 、 Gmail への広告配信で、ユーザーが関心を示しやすいタイミングをとらえて、検索だけでは獲得できなかったより多くの顕在層にGoogleサービス上でリーチできます。
さらに、ファインド広告のターゲティング設定の一つに「カスタムインテント」があります。
そもそも、カスタムインテントとは、ユーザーの興味関心をもとにターゲティングすることを指します。
すでにGoogleでディスプレイ広告を行っている方にとっては聞きなじみのある言葉かもしれませんが、ファインド広告とディスプレイ広告ではその内容に少し違いがあります。
Googleディスプレイ広告のカスタムインテントでは、キーワードやURL、アプリ、YouTube コンテンツを指定して独自の購買意向の強いユーザー層を定義し、ターゲティングします。
一方、ファインド広告のカスタムインテントでは「直近でユーザーが Googleで検索した語句」をもとにターゲティングが可能です。
そのため、これまではアプローチができなかった「検索はしているが、サイト来訪には至らなかったユーザー」にピンポイントでアプローチが可能となります。
機械学習に基づいて自動生成されるネイティブ広告
一つのキャンペーンで複数のGoogleサービスに配信できるファインド広告は、配信先にあわせて、成果が良いと予測されるクリエイティブを自動で生成し、自然に溶け込む形で表示されます。
また、複数のカード形式で表示するカルーセル形式での広告配信も可能です。

YouTube広告を視聴したユーザーのリマーケティングが唯一できるディスプレイ枠
従来は、YouTube動画広告のリマーケティングが配信できるのは、GmailとYouTube面だけでしたが、ファインド広告はYouTube広告を視聴したユーザーのリマーケティングが可能です。
動画開始前にYouTubeチャンネルとGoogle広告を連携させます。連携済みですと、動画広告開始後に、Google広告のオーディエンスマネージャーでオーディエンスが最大540日分蓄積でき、その後リマーケティングのオーディエンスとして活用できます。
ファインド広告でできないこと・デメリット
ここまでファインド広告のメリットについてご紹介してきましたが、ファインド広告にはできないこともいくつかあります。
配信面の指定
YouTubeのみ、Gmailのみといったような配信面の選択はできません。
デバイスの指定
デバイスに関しても、デスクトップのみ、モバイルのみの選択はできない仕様になっています。
コンテンツターゲット
ファインド広告では、ウェブページのコンテンツを分析し、キーワードやトピックなどの要素に基づいて、関連性の高いサイトに広告を表示するコンテンツターゲットは利用できません。
ファインド広告の主な仕様
配信面(掲載面)
ファインド広告が配信される場所は下記の5種類です。
一つのキャンペーンで、これらのGoogleサービスを通して、見込み顧客に幅広くリーチできます。
- Google Discover
- YouTube ホームフィード
- YouTube 次のおすすめ画面
- Gmail プロモーションタブ
- Gmail ソーシャルタブ
ターゲティング
ファインド広告では、「人」に対するターゲティングが可能です。(例えば、ユーザー属性や購入意向、ライフイベント、カスタムセグメント、リマーケティング、類似ユーザーなど)
その他ターゲティング設定のオプションとして以下を追加できます。
- カスタムインテント:検索広告のキーワードのみをサポート。検索キャンペーンでコンバージョン獲得数が多いキーワードを設定。GDNと同じリストは使用しない。
- 広告主様のデータ(リマーケティング):オーディエンスマネージャーよりリマーケティングリストを選択
- 購買意向の強いオーディエンス:コンバージョン獲得の多いカテゴリなどを選択
また、自動ターゲティング( 最適化されたターゲティング )を有効にすることで、キャンペーンの目標に基づいて、コンバージョンに至る可能性が高く、関連性の高い新規ユーザーにリーチできます。
入札戦略
入札戦略はオークションごとの自動入札のみです。
指定した単価でコンバージョンを最大限に獲得できるように入札単価が自動調整される「目標コンバージョン単価」もしくは指定の予算を消化しつつ最大限のコンバージョン数が得られるよう、入札単価を自動設定する「コンバージョン数の最大化」が指定できます。
クリエイティブ
ファインド広告には、画像1枚と広告文を組み合わせた「ファインド広告」形式と複数の画像を横並びのカード形式で表示する「ファインドカルーセル広告」形式の二つのクリエイティブがあります。
「ファインド広告」形式のクリエイティブは、複数の画像、見出し、説明文を設定した場合に成果が良いと予測される画像1枚と広告文の組み合わせが選ばれ、自動的に生成されます。
[ファインド カルーセル広告]形式のクリエイティブはカルーセル部分と固定部分の要素で構成されています。「ファインド カルーセル広告」形式は、一度に複数のカード形式で表示できるため、表示順を工夫してストーリー性を持たせたり、複数商品の訴求が可能です。
カルーセル部分には、使用する画像ごとに、それぞれ遷移先URLと見出し、行動を促すフレーズ の設定ができます。
固定部分には、見出し・説明文の設定が可能です。

厳しいファインド広告の要件(審査基準)
ファインド広告は、ネイティブ広告としてユーザー体験を損なわないよう、厳しい要件が定められています。(※ファインド広告のアセットが不承認となっても、その他のサービスで掲載され続けることもあります。)
Google 広告のポリシーに加え、ファインド広告の要件を満たしていなければ、不承認となり広告は配信されないため、注意が必要です。
Googleのポリシーを遵守している
ファインド広告が Google 広告のポリシーとパーソナライズド広告のポリシーを遵守していることが必要です。
ファインド広告の要件を満たしている
Googleのポリシーに加え、ファインド広告のアセットが要件を遵守している必要があります。
- 禁止カテゴリ
- 不適切なコンテンツ
- 否定的な出来事
- 出会い系関連の禁止事項: 特定のユーザー属性
- インタラクティブ要素の暗示
- 自撮り写真の画像
- 不鮮明な画像
- 攻撃的な表現
- わかりにくいテキスト
ファインド広告のアセット(広告見出し、説明文、画像)が満たさなければならない要件は
詳しく明示されていますので、事前に確認しましょう。
不承認になった個別のアセットは、ファインドキャンペーンのアセットレポートで確認できます。
ファインド広告の入稿規定
ファインド広告のアセット(画像が1つの場合)
種別 | 説明 | 入稿可能数 |
---|---|---|
広告見出し(必須) | 最大半角40文字(全角20文字) | 推奨5個(3~5個) |
説明文(必須) | 最大半角90文字(全角45文字) | 推奨1個(1~5個) |
画像(必須) | アスペクト比 1:1.91(推奨1,200*628) アスペクト比 1:1(推奨1,200*1,200) アスペクト比 4:5(推奨960*1,200) | 推奨3個(1~3) 最大ファイルサイズ: 5 MB |
お店やサービスの名前(必須) | 最大半角25文字(全角12文字) | 1個 |
ロゴ(必須) | アスペクト比 1:1(推奨1,200*1,200) 背景は透明を推奨 | 1個 |
最終ページURL(必須) | ランディングページ | 1個 |
行動を促すフレーズのテキスト | [自動] を設定すると最適化された「行動を促すフレーズ」が自動的に選択される | – |
ファインドカルーセル広告のアセット(画像が複数の場合)
画像ごとに指定 | 種別 | 説明 | 入稿可能数 |
---|---|---|---|
〇 | 広告見出し(必須) | 最大半角40文字(全角20文字) ※各画像ごとに指定 | 推奨5個(3~5個) |
説明文(必須) | 最大半角90文字(全角45文字) ※どの広告見出し、画像、ランディング ページとも組み合わせられる共通のもの | 推奨1個(1~5個) | |
〇 | カード画像(必須)(2~10枚) | ・プレビューツールに表示された順序でカードが表示 ・アスペクト比はカード全体で統一する アスペクト比 1:1.91(推奨1,200*628) アスペクト比 1:1(推奨1,200*1,200) | 推奨2個(2~10) 最大ファイルサイズ: 5 MB |
お店やサービスの名前(必須) | 最大半角25文字(全角12文字) | 1個 | |
ロゴ(必須) | アスペクト比 1:1(推奨1,200*1,200) 背景は透明を推奨 | 1個 | |
〇 | 最終ページURL(必須) | ランディングページ | 1個 |
〇 | モバイルURL(省略可) | モバイル用のランディングページ | 1個 |
〇 | 行動を促すフレーズのテキスト | [自動] を設定すると最適化された「行動を促すフレーズ」が自動的に選択される | – |
ファインドカルーセル広告では、プレビューツールに表示された順序でカードが表示されます。よりアピールしたいカードは最初に表示されるよう設定するとよいでしょう。
ファインド広告の設定方法
1.Google広告にて、新規キャンペーンを作成する
キャンペーン>「+」ボタンをクリック
2.マーケティングの目標では、[販売促進]、[見込み顧客の獲得]、[ウェブサイトのトラフィック]、[目標を設定していない] のいずれかを選択。

3.キャンペーンタイプは「ファインド」を選択。

4キャンペーンのターゲット地域とターゲット言語を選択。
5.オーディエンスを選択。ファインドキャンペーンでは、カスタム インテント オーディエンス、広告主様のデータ(リマーケティング)、購買意向の強いオーディエンスをターゲティング オプションとして追加できます。
6.入札戦略を選択し、1 日の平均予算を入力。
7.広告を作成し、設定は完了です。
ファインド広告を活用するためのポイント
最後に、ファインド広告を出稿するうえでの3つのポイントをご紹介します。
機械学習による最適化に適切な予算とCVデータ
ファインド広告の成果は学習データとそれに基づく最適化によって向上します。
そのため、適切な予算を用意すること、最適化に必要なCVデータが得られるまではキャンペーンの変更を行わないことが推奨されています。
1 日の平均予算として目標コンバージョン単価の 10 倍以上の金額を設定し、少なくとも 40 件のコンバージョンが発生するまでキャンペーンへの変更を控えましょう。
Google 広告 ヘルプ
デバイスや配信面に関わらず、ユーザーに訴求できるクリエイティブを作成する
ファインド広告ではデバイスや配信面を選択できません。
どの配信先でもユーザーに訴求できるよう、画像フォーマットは複数用意するなどの工夫を行いましょう。また、他のキャンペーンで効果の高い画像を再利用することも一つの方法です。
広告の見出しは完結で魅力的に、説明文は最初に重要な要素を設定する
配信されるフォーマットによっては、説明文が表示されない可能性があります。
そのため、見出しだけでも内容が伝わるような訴求を心がけましょう。
また、説明文が冒頭部分だけに省略される場合もあるので、説明文内の重要な要素は冒頭に置くようにするといいでしょう。
オーディエンス拡張機能を適切に使用する
キャンペーンで特定のオーディエンスが高い効果をあげている場合、オーディエンス拡張機能を利用することで、CPAに大きな影響を与えずに成果の高いオーディエンスの類似ユーザーにリーチできます。

ファインド広告でオーディエンス拡張機能を使用すると、元々選択していたオーディエンスと同程度のコンバージョン単価で、コンバージョン数が 52% 増やせることがわかっています。
Google 広告 ヘルプ
さいごに
Discover、YouTubeホームフィード/次のおすすめフィード 、Gmailへのネイティブ広告の配信で見込みの高い新規顧客に幅広くアプローチできるGoogleファインド広告(ファインドキャンペーン)をご紹介しました。
うまく活用することで、より多くの顕在層にGoogleサービス上でリーチできるポテンシャルをもつ広告メニューです。
機械学習をメインとした広告メニューが主流となる中で、特徴や強みはそれぞれです。仕様をきちんと理解した上で、うまく取り入れていくことが大切になっていくでしょう。