Facebook広告には、さまざまな標準イベントが用意されています。
便利だけど、たくさん種類があってなかなか全体を把握しにくいところもあります。
- よく使うイベントはわかるけど、他にはいったいどんなイベントがあるのかわからない。
- どのイベントの時にどのパラメータを取得すればいいの?
- タグの設計をしたいけど、これで漏れはないだろうか?
そんな時のために、この記事では、Facebookピクセルの標準イベントの種類と、各イベントのパラメータをまとめてみました。
※2021/09/17 コードの一部に誤りがあったため修正いたしました。
- Facebookピクセルとは
- Facebookピクセルの構成要素
- Facebookピクセル標準イベントとパラメータの一覧
- イベント
- PageView(よく使う度 ★★★★★)
- Search(よく使う度 ★★★★★)
- ViewContent(よく使う度 ★★★★★)
- AddToCart(よく使う度 ★★★★★)
- InitiateCheckout(よく使う度 ★★★★☆)
- AddPaymentInfo(よく使う度 ★★★★☆)
- Purchase(よく使う度 ★★★★★)
- AddToWishlist(よく使う度 ★★★★☆)
- CompleteRegistration(よく使う度 ★★★★☆)
- Contact(よく使う度 ★☆☆☆☆)
- CustomizeProduct(よく使う度 ★☆☆☆☆)
- Donate(よく使う度 ★☆☆☆☆)
- FindLocation(よく使う度 ★☆☆☆☆)
- Lead(よく使う度 ★☆☆☆☆)
- Schedule(よく使う度 ★☆☆☆☆)
- StartTrial(よく使う度 ★☆☆☆☆)
- SubmitApplication(よく使う度 ★☆☆☆☆)
- Subscribe(よく使う度 ★★☆☆☆)
- パラメータ
- イベント
- まとめ
Facebookピクセルとは
Facebookピクセルとは、いわゆる広告計測タグのことです。
Facebookの公式サイトでは、Facebookのタグのことを「Facebookピクセル」表記で統一していますので、この記事もならっています。
Facebookピクセルは、ウェブサイト上で、ユーザーがどのページを訪問したか、どの商品を見たか、行ったアクションは?など、広告の効果測定、最適化学習に必要な情報を集めるためにサイトに埋め込むコードです。
Facebookピクセルを設定することで、標準イベントのトラッキング、コンバージョン測定ができるようになります。
Facebookピクセルの構成要素
Facebookピクセルは下記の3つの要素で構成されています。
- ベースコード
- 標準イベントコード
- パラメータ
1.ベースコード
ベースコードはウェブサイト上のアクティビティの追跡、イベントの計測をするためのベースとなるコードです。
1アカウントに1つのみ作成可能で、すべてのページで共通のコードとなります。
2.標準イベントコード
標準イベントは、一般的なアクティビティ(商品の検索、閲覧、購入など)に対応するコードです。
よく使うイベントが用意されていて、ベースコードに追記するだけで最適化などに使用することができます。また、コードを記述せずに、管理画面からURLベースで設定することも可能です。
標準イベントで用意されていない発火タイミングを計測したいときは、「カスタムイベント」を使用することもできます。
カスタムイベントは自分でイベント名を付けることができます。
最適化に使用する場合は、カスタムコンバージョンの設定をする必要があります。
標準イベントは、各ページの内容に合わせて、ベースコードに追加します。
PageViewは、他のイベントが入っているページも含め、すべてのページに設定します。
3.パラメータ
イベントに関する情報(閲覧・購入した商品ID、購入した商品の数など)を取得するパラメータです。
イベントとパラメータにはそれぞれ「必須」の項目と「任意」の項目があります。
必須の項目は配信するために必ず設定しなくてはなりません。
たとえば、AddToCart(フォーム(カート)ページ)イベントでは、ダイナミック広告の場合はcontent_typeと、contents または content_idsが必須のパラメータになります。
Facebookピクセル標準イベントとパラメータの一覧
Facebookピクセルには、さまざまな標準イベントが用意されており、イベントごとのパラメータも多いです。
配信設計の際に、どこにどのイベントを使ったらいいのか、またどのイベントでどの変数が必要なのか、まとめてみました。
イベント
各イベントの概要です。説明は一般的な実装内容です。
「よく使う度」は筆者の主観ですが、ダイナミック広告かつECによく使うものは★が多くなっています。
PageView(よく使う度 ★★★★★)
サイト内の全ページに設定します。ベースコードに含まれています。
- ウェブサイトアクション:すべてのページ
- 説明:ページアクセスをトラッキングするデフォルトのピクセルです。
注: ページビューイベントはピクセルベースコードの一部として含まれています。ページビューでは、ピクセルベースコードがインストールされているウェブページに利用者がアクセスしたタイミングがわかります。 - パラメータ:必須:なし
- イベントコード・パラメータの記述例
fbq('track','PageView') ;
ベースコードに含まれています
Search(よく使う度 ★★★★★)
検索ページに設定します。
- ウェブサイトアクション:検索
- 説明:検索が行われたときに利用します。利用者がウェブサイトで製品を検索した場合など。
- パラメータ:
- content_category …ページ/製品のカテゴリ
- content_ids …IDは検索上位5件~10件取得を推奨
- contents …商品IDと商品数
- currency …通貨パラメータ(日本円は’JPY’)
- search_string …利用者が検索のために入力した文字列
- value …商品の価格
必須:なし
- イベントコード・パラメータの記述例
fbq('trackSingle', '{{facebook_pixel_id}}', 'Search', {
content_type: 'product',
content_ids: ['<<<アイテムID1>>>','<<<アイテムID2>>>','<<<アイテムID3>>>']
});
ViewContent(よく使う度 ★★★★★)
詳細ページに設定します。
- ウェブサイトアクション:コンテンツビュー
- 説明:利用者が製品の詳細ページにアクセスした場合などに利用します。
- パラメータ:
- content_ids …商品ID
- content_category …ページ/製品のカテゴリ
- content_name …ページ/製品の名前
- content_type …「product」または「product_group」
- contents …商品IDとアイテム数
- currency …通貨パラメータ(日本円は’JPY’)
- value …商品の価格
【スタティック広告】
必須:なし
【ダイナミック広告】
必須: content_type、contents または content_ids
- イベントコード・パラメータの記述例
fbq('trackSingle', '{{facebook_pixel_id}}', 'ViewContent', {
content_type: 'product',
content_ids: ['<<<アイテムID1>>>'],
value: '<<<価格>>>',
currency: 'JPY'
});
AddToCart(よく使う度 ★★★★★)
「カートに追加する」ボタンをクリックしたときや、カートページに訪問したときに発火します。
- ウェブサイトアクション:カートに追加
- 説明:製品がショッピングカートに追加されたときに利用します。
- パラメータ
- content_ids …商品ID
- content_name …ページ/製品の名前
- content_type …「product」または「product_group」
- contents …商品IDと商品数
- currency …通貨パラメータ(日本円は’JPY’)
- value …商品の価格
【スタティック広告】
必須:なし
【ダイナミック広告】
必須:content_type、contents または content_ids
- イベントコード・パラメータの記述例
fbq('trackSingle', '{{facebook_pixel_id}}', 'AddToCart', {
content_type: 'product',
content_ids: ['<<<アイテムID1>>>','<<<アイテムID2>>>','<<<アイテムID3>>>'],
value: '<<<価格>>>',
currency: 'JPY'
});
InitiateCheckout(よく使う度 ★★★★☆)
決済フローが開始されたときに設定します。
たとえば、カート→決済開始→支払情報入力→購入完了 のようなフローの場合、
「決済開始」のページに設定します。
- ウェブサイトアクション:チェックアウト開始
- 説明:購入フローへ入ったときに利用します。通常カートから購入開始を選んだあとのページを指すことが多いです。利用者が[チェックアウト]ボタンをクリックした場合など。
- パラメータ
- content_category …ページ/製品のカテゴリ
- content_ids …商品ID
- contents …商品IDと商品数
- currency …通貨パラメータ(日本円は’JPY’)
- num_items …チェックアウトが開始されたときのアイテム数
- value …商品の価格
必須:なし
- イベントコード・パラメータの記述例
fbq('trackSingle', '{{facebook_pixel_id}}', 'InitiateCheckout', {
content_type: 'product',
content_ids: ['<<<アイテムID1>>>','<<<アイテムID2>>>','<<<アイテムID3>>>'],
num_items: '<<<チェックアウトが開始されたときのアイテム数>>>',
value: '<<<価格>>>',
currency: 'JPY'
});
AddPaymentInfo(よく使う度 ★★★★☆)
支払情報入力ページに設定します。
- ウェブサイトアクション:支払い情報の追加
- 説明:支払い情報を追加した際に利用します。利用者が[請求情報の保存]ボタンをクリックした場合など。
- パラメータ
- content_category …ページ/製品のカテゴリ
- content_ids …商品ID
- contents …商品IDと商品数
- currency …通貨パラメータ(日本円は’JPY’)
- value …商品の価格
必須:なし
- イベントコード・パラメータの記述例
fbq('trackSingle', '{{facebook_pixel_id}}', 'AddPaymentInfo', {
content_type: 'product',
content_ids: ['<<<アイテムID1>>>','<<<アイテムID2>>>','<<<アイテムID3>>>'],
value: '<<<価格>>>',
currency: 'JPY'
});
Purchase(よく使う度 ★★★★★)
購入完了ページに設定します。いわゆるコンバージョンです。
- ウェブサイトアクション:購入
- 説明:購入されたとき、またはチェックアウトフローが完了したときに発生します。利用者が購入またはチェックアウトフローを終了し、サンクスページまたは確認ページにランディングした場合など。
- パラメータ:
- content_ids …商品ID
- content_name …ページ/製品の名前
- content_type …「product」または「product_group」
- contents …商品IDと商品数
- currency …通貨パラメータ(日本円は’JPY’)
- num_items …商品数
- value …商品の価格
【スタティック広告】
必須: currencyおよびvalue
【ダイナミック広告】
必須:currency、value、content_type、contents または content_ids
- イベントコード・パラメータの記述例
fbq('trackSingle', '{{facebook_pixel_id}}', 'Purchase', {
content_type: 'product',
content_ids: ['<<<アイテムID1>>>','<<<アイテムID2>>>','<<<アイテムID3>>>'],
value: '<<<価格>>>',
currency: 'JPY'
});
AddToWishlist(よく使う度 ★★★★☆)
「お気に入りに追加」ボタンクリックなどに設定します。
- ウェブサイトアクション:ウィッシュリストに追加
- 説明:製品が「お気に入りリスト」等に追加されたときに利用します。利用者が「お気に入りに追加」ボタンをクリックした場合など。
- パラメータ:
- content_name …ページ/製品の名前
- content_category …ページ/製品のカテゴリ
- content_ids …商品ID
- contents …商品IDと商品数
- currency …通貨パラメータ(日本円は’JPY’)
- value …商品の価格
必須:なし
- イベントコード・パラメータの記述例
fbq('trackSingle', '{{facebook_pixel_id}}', 'AddToWishlist', {
content_type: 'product',
content_ids: ['<<<アイテムID1>>>'],
content_name: '<<<商品名>>>',
value: '<<<価格>>>',
currency: 'JPY'
});
CompleteRegistration(よく使う度 ★★★★☆)
登録フォームが完了したときに設定します。会員登録完了など。
- ウェブサイトアクション:登録完了
- 説明:登録フォームが完了したときに利用します。
- パラメータ:
- content_name …ページ/製品の名前
- currency …通貨パラメータ(日本円は’JPY’)
- status …登録のステータス
- value …商品の価格
必須:なし
- イベントコード・パラメータの記述例
fbq('trackSingle', '{{facebook_pixel_id}}', 'CompleteRegistration');
Contact(よく使う度 ★☆☆☆☆)
問い合わせ開始時に設定します。メールフォーム送信など。
- ウェブサイトアクション:問い合わせ
- 説明:利用者が電話、SMS、メール、チャットなどでビジネスに関する連絡を開始したときに利用します。利用者が製品に関する質問を送信した場合など。
- パラメータ:必須:なし
- イベントコード・パラメータの記述例
fbq('track','Contact') ;
CustomizeProduct(よく使う度 ★☆☆☆☆)
商品のカスタムを行った時に設定します。カラー選択時など。
- ウェブサイトアクション:製品のカスタマイズ
- 説明:利用者が製品をカスタマイズしたときに利用します。利用者がTシャツの色を選択した場合など。
- パラメータ:必須:なし
- イベントコード・パラメータの記述例
fbq('track','CustomizeProduct') ;
Donate(よく使う度 ★☆☆☆☆)
寄付をしたときに設定します。
- ウェブサイトアクション:寄付
- 説明:利用者があなたの組織またはあなたの目標のために寄付をしたときに利用します。利用者がHumane Societyへの寄付をカートに追加した場合など。
- パラメータ:必須:なし
- イベントコード・パラメータの記述例
fbq('track','Donate') ;
FindLocation(よく使う度 ★☆☆☆☆)
店の場所を検索した時に設定します。
- ウェブサイトアクション:場所の検索
- 説明:店の場所を、実際に訪問する目的で利用者がウェブサイトやアプリを使用して検索したときに利用します。利用者が地元の店で特定の製品を探す場合など。
- パラメータ:必須:なし
- イベントコード・パラメータの記述例
fbq('track','FindLocation') ;
Lead(よく使う度 ★☆☆☆☆)
登録が完了したときに設定します。
- ウェブサイトアクション:リード
- 説明:資料請求や問い合わせなどのリードの発生の際に利用します。
- パラメータ:
- content_category …ページ/製品のカテゴリ
- content_name …ページ/製品の名前
- currency …通貨パラメータ(日本円は’JPY’)
- value …商品の価格
必須:なし
- イベントコード・パラメータの記述例
fbq('track','Lead') ;
Schedule(よく使う度 ★☆☆☆☆)
利用予約をしたときに設定します。
- ウェブサイトアクション:日時を指定
- 説明:指定したいずれかの場所の訪問の予約を利用者が取ったときに利用します。利用者が歯医者の予約日時を選択した場合など。
- パラメータ:必須:なし
- イベントコード・パラメータの記述例
fbq('track','Schedule') ;
StartTrial(よく使う度 ★☆☆☆☆)
無料トライアルを開始したときに設定します。
- ウェブサイトアクション:トライアル開始
- 説明:提供している製品やサービスの無料トライアルを利用者が開始したときに利用します。利用者がゲームの無料週間を選択した場合など。
- パラメータ:
- currency …通貨パラメータ(日本円は’JPY’)
- predicted_ltv …商品の予測LTV
- value …商品の価格
必須:なし
- イベントコード・パラメータの記述例
fbq('track','StartTrial') ;
SubmitApplication(よく使う度 ★☆☆☆☆)
サービス、プログラムなどに申し込んだときに設定します。
- ウェブサイトアクション:応募
- 説明:提供する製品、サービス、プログラムを利用者が申し込んだときに利用します。利用者がクレジットカード、教育プログラム、または仕事に申し込む場合など。
- パラメータ:必須:なし
- イベントコード・パラメータの記述例
fbq('track','SubmitApplication') ;
Subscribe(よく使う度 ★★☆☆☆)
サブスクリプションに申し込んだときに設定します。
- ウェブサイトアクション:サブスクリプション登録
- 説明:提供している製品やサービスのペイドサブスクリプションに利用者が申し込んだときに利用します。利用者がストリーミングサービスに登録した場合など。
- パラメータ:
- currency …通貨パラメータ(日本円は’JPY’)
- predicted_ltv …商品の予測LTV
- value …商品の価格
必須:なし
- イベントコード・パラメータの記述例
fbq('trackSingle', '{{facebook_pixel_id}}', 'Subscribe', {
value: '<<<価格>>>',
currency: 'JPY',
predicted_ltv: '0.00'
});
パラメータ
パラメータ | 説明 |
content_category | ページ/製品のカテゴリ。 |
content_ids | 商品ID。 例:ミルクチョコ(商品ID:A001)とビターチョコ(商品ID:B001)の場合 [‘A001’, ‘B001’] |
contents | 商品IDと商品数。 商品ID(id)と商品数(quantity)をセットにして配列に入れます。 例:ミルクチョコ(商品ID:A001)が1個とビターチョコ(商品ID:B001)が2個の場合 [{‘id’: ‘A001’, ‘quantity’: 1}, {‘id’: ‘B001’, ‘quantity’: 2}]。 「パラメータ」の必須項目が「contents または content_ids」となっているイベントでは、商品の個数が取得できる場合はcontentsを設定することができます。 |
currency | 通貨パラメータ(日本円は’JPY’)。 |
search_string | 利用者が検索のために入力した文字列。 |
value | 商品の価格。 |
content_name | ページ/製品の名前。 |
content_type | 「product」または「product_group」を設定します。 取得するIDが商品IDの場合は「product」、商品グループIDの場合は「product_group」を設定します。 |
num_items | (InitiateCheckoutのとき)チェックアウトが開始されたときのアイテム数。 |
status | (CompleteRegistrationのとき)登録のステータス。 |
predicted_ltv | 商品の予測LTV。あらかじめ定義したLTVの値を設定します。 |
まとめ
Facebookピクセルについては、直近でApple iOSのポリシー変更に対応する形でイベント数の制限などの仕様変更があり(2021年5月現在)、設計の見直しをされている広告主様も多いと思います。
設計の際に自分が見たいイベントとパラメータが網羅されている一覧表がなかったので、今回まとめてみました。参考になれば幸いです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。