こんにちは、フィードフォースで広告運用コンサルタントをしている黒河です。
実名制の利点を活かした人ベースの高精度なターゲティングを強みとするFacebook広告。
そんなFacebook広告では、カタログを利用することでユーザーにパーソナライズされた商品単位での訴求ができ、効果的に購入を促進できます。
カタログは広告だけにとどまらず、InstagramショップやFacebookショップでも活用できます。
今回はFacebookのデータフィード「Facebookカタログ」の活用方法や項目など仕様について紹介します。
Facebookカタログとは
Facebookカタログとは、FacebookやInstagramで商品の宣伝や販売に利用する商品データを入れるコンテナ(入れもの)を指します。
データフィードを利用して、Facebookの仕様にあわせて加工・変換された商品データをFacebookカタログに格納します。
カタログはECだけでなく旅行(ホテル、フライト、目的地)、自動車、不動産、ストリーミングなど、さまざまな種類の商品データに対応しております。広告だけでなく、無料で作成可能なオンラインショップ「Instagramショップ・Facebookショップ」にも活用できます。
データフィード(カタログ)について詳しくは以下の記事をご覧ください。
Facebookカタログの活用方法
Facebookカタログの活用方法は大きく2つです。
Instagramショップ・Facebookショップ
FacebookとInstagramの両方で共通して利用できるデジタル店舗のことです。
ショップへはFacebookページ、Instagramのプロフィール、ショッピングタブ、ストーリーズ、広告からアクセス可能です。
ショップは没入感のあるフルスクリーンで表示され、コレクション機能を活用することで複数の商品をキュレーションしてまとめて展開できます。
ショップはカスタマイズすることで注目商品のコレクションを作成できます。
Instagramショッピングを使用して投稿やストーリーズでカタログの商品をタグ付けし、ショップへの流入と商品購入を促せます。
Instagramショップ・Facebookショップの設定方法はこちらの公式ページからご確認ください。
Facebook広告
Facebookを運営するMeta社の様々なサービスやパートナーアプリ、サイトへ掲載できる広告です。FacebookやInstagramを中心に広告を配信でき、認知獲得から商品購入まで幅広いマーケティング目的の達成に向けて活用できます。
カタログはFacebook広告にも活用可能で、次の4種類の広告でカタログを通じて商品を露出できます。
ダイナミック広告
ウェブサイトやFacebookおよびInstagram上の行動から「アイテムに興味がある」とFacebookに判断された人に対して関連する商品をFacebookカタログから自動的に表示する広告フォーマットです。
FacebookピクセルやSDKからのイベントにマッチングされたカタログ内アイテムがダイナミック広告で表示されます。
ダイナミック広告の作成方法はこちらの公式ページからご確認ください。
コレクション広告
ヒーロー画像またはヒーロー動画の下にカタログのアイテムを4点表示する広告フォーマットです。
ビジュアル中心の没入感の高いコンテンツで利用者を引き付け、スマートフォンから商品やサービスを簡単に発見、閲覧、購入してもらうことができる点が特徴です。
カルーセル広告
複数の画像や動画をスクロールして表示できる広告フォーマットです。
カルーセル広告に掲載するそれぞれの画像や動画には個別にリンクを設定できます。
カタログのアイテムをカルーセルカードにダイナミックに追加するように設定可能です。
カルーセル広告の作成方法はこちらの公式ページから確認できます。
商品タグ付き広告
Instagramにてカタログ内の特定のアイテムを宣伝できる広告フォーマットです。
既存の投稿を商品タグ付きの広告として宣伝できる他にも、カタログに商品タグを付けてダイナミック広告として配信できます。
商品タグ付き広告の活用方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
ここまでInstagramショップ・FacebookショップとFacebook広告にてFacebookカタログを活用できることを説明してきました。次の章ではFacebookカタログの仕様について紹介します。
Facebookカタログの仕様
データフィードのファイル形式とサイズ制限
Facebookカタログを活用するためにアップロードするデータフィードにはファイル形式とサイズの制限があります。
Facebookへアップロードできるファイルフォーマットは次の4つです。
- CSV(コンマ区切り値)
- TSV(タブ区切り値)
- XML (RSS/ATOM)
- Googleスプレッドシート
フォーマットのテンプレートはFacebookのコマースマネージャからダウンロードできます。ダウンロード方法についてはこちらの公式ページからご確認ください。
また、広告やショップで正しいアイテム情報を表示するためには、カタログを常に最新の状態に保つことが重要です。頻繁にアイテム情報が更新される場合は工数削減のために定期的に実行される自動フィードアップロードを推奨しています。
自動フィードアップロードについてはこちらの公式ページから確認できます。
次に、Facebookカタログ内の項目についてです。
Facebookカタログ内には値の入力が必須の項目と推奨の項目があります。
以下にそれぞれ項目名と内容、入力する値の例を記載しました。
必須項目
必須項目はECとそれ以外の種類で異なります。
今回はECの必須項目をまとめました。
項目名 | 内容 | 例 |
id | アイテムに固有のコンテンツid ※可能な限りアイテムのSKUを使用 | 12345 |
title | アイテムの名称(商品タイトル) | ブルーコットンTシャツ |
description | アイテムに関する説明 | 着心地のよいロイヤルブルーの オーガニックコットン製レディースTシャツ。 キャップスリーブのリラックスフィット。 暖かい夏の日に最適です。 |
availability | アイテムの現在の在庫状況 | in stock |
condition | アイテムの状態 | new |
price | アイテムの価格 | 9.99 USDまたは7.99 EUR |
link | アイテムの商品ページへの リンク | http://www.jaspersmarket.com /products/shirt |
image_link | アイテムのメイン画像のURL | http://www.jaspersmarket.com /products/shirt.jpg |
brand | アイテムのブランド名 または一意の製品番号(MPN)、国際取引商品コード(GTIN) | Jasper’s Market |
id
ユーザーがサイト上で商品を閲覧したときにピクセルで取得する商品idが、データフィード内に含まれる商品idと一致する必要があります。
これにより、カタログ内のアイテムとウェブサイト上のアイテムが同じものであることが認識されます。
title
文字数の上限は150文字ですが、65文字未満が推奨されています。
文字数上限の他にも、商品タイトルとしては次のような事項が推奨されています。
- 「セール」や「送料無料」のようなプロモーションメッセージは使用しない
- 「ふたつ」ではなく「2」と表示するなど、数字を使用する
- 「ホットなアイテム」、「ベストセラー」、「ギフトにぴったり」などの主観的なフレーズは使用しない
description
説明文にはHTMLではなくプレーンテキストを使用するようにし、すべて大文字で入力したりリンクを含めたりしないようにしましょう。
原則、説明にはタイトルと異なる文字列を入力する必要があります。
入力する文字列以外にも次のような推奨事項があります。
- 購入の決め手となるようなその商品ならではの特徴と重要な情報を記載する
- 箇条書きや複数の段落などのリッチテキストを避ける
- 過剰な記号の使用を避ける(ユーザーにスパムと思われるため)
availability
アイテムの在庫状況を示す項目で、使用できる値はin stock、available for order、out of stockの3つです。
在庫なしの商品はショップで「売り切れ」と表示され、広告には一切表示されません。
condition
アイテムの状態を示す項目で、使用できる値はnew、refurbished、usedの3つがあります。
price
数値の後ろにスペースを挿入し、続いて3文字のISO 4217通貨コードを追加する形式で入力する必要があります。
通貨コードの入力以外にも値を入力する際の注意点が2つあります。
- 小数点にはコンマ(,)でなくピリオド(.)を使用する
- 「$」、「€」、「£」などの通貨記号は使用しない
ISO 4217通貨コードはこちらから確認できます。
link
入力するリンクは「http://」または「https://」で始まる有効なものであり、ビジネスのウェブサイトのドメインでホスティングされている必要があります。
Facebookドメイン(ビジネスのFacebookページなど)やその他へのリンクではありません。
image_link
画像はJPEGまたはPNG形式で、500 x 500ピクセル以上かつ8 MB以下である必要があります。後で画像を変更する場合は、新しい画像に古い画像とは異なるURLを使用する必要があり、そうしない場合は変更したことが認識されません。
他にも次のような推奨事項があります。
- 商品ごとに少なくとも1枚の画像が必要
- 背景が白の画像を使用
- 質感やディテールが分かるクローズアップ画像など、商品をさまざまな角度から見せる画像を組み合わせて使用
brand
ブランド名、製品番号(MPN)、国際取引商品コード(GTIN)のいずれかを入力する必要がありますが、すべてを入力する必要はありません。
GTINについては、UPC、EAN、JAN、ISBNのうちいずれかを入力してください。
任意項目
任意項目のため必ずしも値を入力する必要はありませんが、より多くの商品情報を顧客に伝えたり、アイテムの表示方法をコントロールしたりするために可能な限り多数含めることを推奨しています。
※項目一覧は横にスクロールしてご確認ください。
内容 | 例 | |
sale_price | 割引価格 | 5.99 USD |
sale_price_effective_date | セールの開始・終了の それぞれの日付、時間、 タイムゾーン | (太平洋標準時タイムゾーン-08:00): 2020-04-30T09:30-08:00/2020-05-30T23:59-08:00 |
item_group_id | アイテムに固有の コンテンツid | Shirt_1 |
status | アイテムのステータス | active |
additional_iamge_link | アイテムの追加画像へのリンク | http://www.jaspersmarket.com/products/shirt2.jpg, http://www.jaspersmarket.com/products/shirt3.jpg |
fb_product_category (google_product_category) | Google商品カテゴリ | Apparel & Accessories > Clothing > Shirts & Topsまたは212 |
color | アイテムのメインの色 | ロイヤルブルー |
gender | アイテムが対象とする 性別 | unisex |
size | アイテムのサイズ | 中 |
age_group | アイテムが対象とする 年齢層 | adult |
material | アイテムの素材 | オーガニックコットン |
pattern | アイテムのパターン またはプリント柄 | ストライプ |
shipping | 「国:地域:配送サービス:配送料金」の形式による、アイテムの配送に関する詳細 | US:NY:陸便:9.99 USD, PH::航空便:300 PHP |
shipping_weight | アイテムの発送重量 | 0.3 kg |
custom_label_0~4 | 追加情報用のカスタム フィールド | サマーセール |
custom_number_0~4 | 追加の数字関連の情報用のカスタムフィールド | 2022 |
sale_price
割引価格を示す項目です。
priceフィールドと同じフォーマットで入力してください。
sale_price_effective_date
割引価格の適用期間を示す項目です。
このフィールドを追加しなかった場合、sale_priceがあるアイテムはセール価格を削除するまではセール中のままになります。
形式はYYYY-MM-DDT23:59+00:00/YYYY-MM-DDT23:59+00:00となります。
- 開始日をYYYY-MM-DD(年-月-日)フォーマットで入力し、その後ろにアルファベットの「T」を入力
- Tの後ろに24時間表示(00:00~23:59)で開始時間を入力
- 開始時間の後ろにUTCタイムゾーン(-12:00から+14:00まで)を入力
以上の流れで割引価格の開始時間を指定できます。
「/」を入れた後に上記と同じフォーマットで繰り返し日時を入力することでセールの終了日時を指定できます。
item_group_id
同じ商品のすべてのバリエーションに一意のグループidを入力します。
Facebookカタログのバリエーション管理についてはこちらの公式ページからご確認ください。
status
カタログのアイテムをアクティブまたはアーカイブ済みに設定します。
アクティブなアイテムのみが広告やショップ、その他のチャネルで表示されます。
使用できる値はactive (アクティブ)とarchived (アーカイブ済み)のみです。
additional_iamge_link
最大20点登録でき、コンマで区切って画像を指定します。
画像の仕様については、image_linkフィールドと同じです。
fb_product_category(google_product_category)
Excel (.xls)またはプレーンテキスト(.txt)のリストから、最も当てはまるGoogle商品カテゴリを入力します。
カテゴリ名(大文字と小文字は区別されません)またはそのid番号を入力できます。
カテゴリリストはこちらの公式ページから確認できます。
color
アイテムの色を示す項目です。
16進数のコードを使わず、言葉で色を説明(文字数上限: 200文字)します。
gender
アイテムの対象となる性別を示す項目です。
使用できる値はfemale、male、unisexの3つです。
size
サイズは言葉や略号、または数字で「小」、「XL」、「12」などと入力します。(文字数上限:200文字)
age_group
アイテムの対象となる年齢層を示す項目です。
使用できる値はadult、all ages、teen、kids、toddler、infant、newbornの7つです。
material
アイテムの素材を示す項目です。
綿、ポリエステル、デニム、レザーなどアイテムの素材情報を入力します(文字数上限:200文字)。
pattern
アイテムのパターンやプリント柄を示す項目です。
文字数の上限は100文字です。
shipping
2文字のISO 3166国コードで国を入力した後、州や都道府県、または地域を入力します
(配送情報が指定した国全体で同じ場合、地域は省略できます)。
- (配送料金を入力する場合)数値の後ろにスペースを挿入し、続いて3文字のISO 4217通貨コードを追加
- (配送料金を入力する場合)数値の後ろにスペースを挿入し、3文字のISO 4217通貨コードを追加(広告で「無料配送」のオーバーレイを利用するには、価格に「0.0」と入力)
ISO 3166国コードはこちらのページから確認できます。
shipping_weight
アイテムの発送重量を示す項目です。
単位はlb、oz、g、またはkgを使用できます。
custom_label_0~4
アイテムのセットを作成する場合にアイテムを絞り込む条件として利用可能です。
例えば、カスタムフィールドを使用して、夏のセールで扱う全アイテムを指定してから、セットに絞り込むことができます。
このフィールドは、数字を含むすべてのテキスト値をサポートしています(文字数上限:100文字)。
custom_number_0~4
このフィールドを使用すると、アイテムのセットを作成した場合に数値範囲(次より大きいおよび次の値未満)で絞り込むことができます。
例えば、このフィールドを使用してアイテムが生産された年を示し、特定の年の範囲に絞り込んでセット可能です。
フィールド内には0~4294967295の整数を入力でき、-2、5.5、10,000などの負の数や小数、コンマは入力できません。
まとめ
今回はFacebookカタログの活用方法とファイル形式、各項目の仕様をご紹介しました。
カタログを利用するための必須項目だけでなく、必要に応じて任意項目を活用することでInstagramショップ・Facebookショップや広告経由での成果改善につながります。
上記を参考にぜひ活用してみてください。
※最新の仕様に関しては、必ず媒体社の公式情報をご確認ください