こんにちは。フィードフォースで広告運用コンサルタントをしている目黒です。
本記事では、CriteoやGoogleショッピング広告、Facebookダイナミック広告等、これらのデータフィード広告に取り組む上で知っておきたい「データフィード広告の基本」をまとめました。
データフィード広告のメリットやデメリット、仕組みといった基本から、各種データフィード広告の種類、広告広告効果を高めるためのデータフィード改善ステップについてもご紹介します。
これからデータフィード広告に取り組みたい方や、導入したものの改善方法がわからないというという方はぜひ参考にしていただれば幸いです。
データフィード広告とは
データフィード広告とは、自社が保有する商品データを、データフィードのしくみを利用して、広告出稿先(媒体)に送信し、商品在庫など商品情報と連動した広告を自動で生成・配信できる広告です。
Google、Facebook・Instagram、Criteo、LINEと主要広告媒体がデータフィード広告を提供しています。

主なデータフィード広告
- ダイナミック広告
- 検索連動型広告:Googleショッピング広告
- 求人検索エンジン:Indeed、求人ボックス、スタンバイ、キャリアジェット等
データフィード広告とデータフィード
データフィードとは?
データフィード広告の解説の前に、まずは「データフィード」について理解を深めましょう。
そもそもデータフィードとは、企業が保有する商品データを各広告媒体の仕様にあわせてデータを変換し作成したデータを指します。また、商品データを変換し広告媒体に連携する仕組みを指す場合もあります。
データフィード広告を配信する際は、広告媒体の仕様(titleやdescriptionなど必要な項目、カラムやデータ形式など)にあったデータフィードを用意する必要があります。

商品マスタなど保有する商品データの管理方法やデータの持ち方は企業によってさまざまかと思います。そのためデータフィード広告配信の際は、これらの自社の商品データをもとに、データの加工を伴うデータフィードの用意が必要になります。
例えば、カラムとカラムの結合、商品データの不足項目を補完、広告効果を高めるためにカラム内のテキストの置換などの加工です。
また、一度準備して終わりではなく情報の鮮度が重要となるため、定期的に更新する仕組みもあわせて用意しましょう。
※データフィードは、他にもフィードや商品フィード、カタログと呼ばれることがありますが、本記事では”データフィード”に統一して解説していきます。
データフィードの役割①クリエイティブの要素
データフィード広告では、データフィードのカラム情報をもとに広告クリエイティブ(商品タイトル、画像、価格など、遷移先リンク他)が生成されます。

データフィード広告のクリエイティブ改善はデータフィードの改修で行います。
データフィードの役割②機械学習の促進
データフィードは、広告媒体のエンジンが正しく学習するために必要なデータを提供する役割も担っています。
出稿する媒体によっても異なりますが、データフィードの項目には、必須項目と任意項目があります。
必須項目だけでなく、できるだけ任意項目にも情報を追加し、より多くの学習データを提供することで機械学習が促進され、広告効果を高めることにつながります。
例えば、必須項目のcategoryだけではパーカーに興味があることしか学習できないのに対して(下左図)、任意項目であるcolor、genderを追加することで、「パーカー×黒色×男性用」とユーザーの趣向を具体化した学習データを集められます(下右図)。
※注:データフィードの仕様や学習のアルゴリズムは媒体によって異なります。ここでは考え方のイメージ例としてご紹介しています。

データフィード広告におけるデータフィードの役割、データフィード広告の仕組みを整理して紹介しました。次に、データフィード広告のメリットとデメリットを紹介します。
データフィード広告のメリット
ユーザー毎に最適なクリエイティブを自動生成
データフィード広告は、商品単位での訴求が可能で、かつ、クリエイティブに表示される価格や商品タイトルは、データフィードをもとに自動生成されます。
商材ごとに広告クリエイティブを作成する手間が省け、また、価格や在庫の変更も速やかに広告に反映できる点も大きなメリットです。
そのため、EC、人材、不動産、旅行業界など、多くの商材を扱う企業に最適な広告メニューです。
ユーザの興味関心にあわせた広告配信
ダイナミック広告や動的リターゲティング広告、検索連動型広告などのデータフィード広告の多くは、広告媒体の機械学習により、ユーザーの興味・関心にあわせた広告を配信します。
検索行動にマッチした商品や以前、閲覧した商品、それに類似する商品をレコメンドできるため、一般的なディスプレイ広告と比較するとCTRやCVRが高い傾向にあります。
商品データと連動したマーケティング施策の打ち手が広がる
データフィードの活用で、多岐にわたる広告出稿先や外部サイトに対して、商品データと連動したマーケティング施策を可能にします。
この記事の後半でも紹介しますが、Google、Facebook、Criteoなど多くの主要広告媒体がデータフィード広告を提供しています。
さらにデータフィードは、広告以外のマーケティング施策、例えば、Google無料リスティング、Instagramショッピング、LINEショッピングなどでも活用されています。
データフィード広告のデメリット
データフィードの作成・管理・運用が必須
データフィード広告の配信には、データフィードを用意する必要があるため、その分の工数がかかります。場合によってはマーケティング部門だけはなく関連部門との調整が必要となるケースもあるでしょう。
また、一度作成しておしまいではなく、継続的な管理・運用も必要になります。
- マスタデータや商品データを用意
- 媒体の仕様を理解し、仕様にあわせてデータを加工
- データフィードを定期的にアップロードするための仕組みつくり
- 広告配信
- 広告効果改善のためのデータフィード改修
タグのノウハウが必要になる
データフィード広告の中でもダイナミック広告といわれる広告メニューの多くは、広告計測タグを正しく設置する必要があります。
タグは、機械学習のもととなるさまざまなシグナル、例えば、どの階層のページにユーザーが訪問したのか?どの商品を閲覧したのか?どの商品をカートにいれたのか?などの情報を広告媒体に伝えています。
タグを通して収集したこれらの学習データをもとに「だれに」「どんな商品を」レコメンドするかを決定するため、正しいシグナルを媒体に伝えること、つまり、正しくタグを設置することが広告成果を大きく左右します。
データフィード広告の種類と媒体
Googleショッピング広告・スマートショッピングキャンペーン
Googleショッピング広告は小売に特化した検索連動型のGoogle広告です。
ユーザーが何かを探して検索行動を起こしたタイミングで、Google検索結果上部やショッピングタブなどに掲載される広告です。
広告クリエイティブには、商品画像、価格、サイズ、店舗名など商品概要が表示され、より購入意欲の高いユーザーを集客できることから、自社ECへの集客施策として非常に人気の広告メニューです。

Googleショッピング広告やスマートショッピングキャンペーンは、Google Merchant Centerに商品フィード(データフィード)を登録し、その商品情報をもとに広告を配信しています。
Criteo
Criteoは高精度な機械学習エンジンと、膨大な消費者行動データをもとに、「誰に」「何を(どの商品を)」「どのように(どんなクリエイティブで)」表示するかを適切に判断し、ユーザーごとに最適化したバナーを動的に表示するダイナミック広告です。
Criteo広告ひとつで日本の多くの配信面をカバーでき、日本のオンラインユーザーの92.6%にリーチできるという点からも魅力的な媒体です。
バナー画像上の「〇〇%OFF」などの割引率や「SALE」「人気」「送料無料」「スターレーティング」などのバッジの表示はデータフィードで表示を制御しています。


Facebook・Instagramダイナミック広告
Facebook・Instagramダイナミック広告は、以下に配信できるダイナミック広告で、データフィードの情報を広告管理画面内のカタログに取り込んでいます。
- Facebook(フィード、右側広告枠、Marketplace、ストーリーズ)
- Instagram(フィード、ストーリーズ、発見タブ)
- Audience Network(ネイティブ、バナー、インタースティシャル)
- Messenger(ホーム)
特徴的なカルーセル形式のクリエイティブでは、ユーザーの興味・関心にあわせて複数の画像や動画を表示し、それぞれのカードに個別の商品詳細ページへのリンクを設定できます。

RTB House
RTB Houseとはディープラーニング(深層学習ーDeep Learning)型の学習技術が特徴の広告媒体です。
成果保証型、つまり、目標とするROASやCPAを保ちつつ運用ができる唯一の広告媒体でもあります。
RTB Houseの運用で安定した売上の基盤ができ、また、学習ロジックが他媒体とは異なることからターゲティングするユーザーのカニバリズムも起きにくいため、Criteoなど他媒体と併用するケースも増えています。

LINE Dynamic Ads
LINE Dynamic Ads(LINEダイナミック広告)は、「LINE広告」のひとつでLINEが提供するダイナミック広告です。
LINE Dynamic Adsの一番のメリットは、LINEでのみリーチ可能なユーザーが多く存在するLINEの配信面にダイナミック広告を配信できる点です。

LINE Dynamic Adsは、LINE VOOM、LINE NEWS、LINEマンガ、LINE BLOG、LINEポイント、LINEショッピングウォレット、LINEチラシに配信できます。
Indeed広告「スポンサー求人」
世界最大の求人検索エンジン「Indeed」の検索結果への広告表示で、より多くの求職者にアピールできるのがIndeedの広告(スポンサー求人)です。
Indeedの広告(スポンサー求人)は、無料掲載と同様の形式で並んで表示され、バナー広告のような広告感がないのが特徴です。

Indeedの広告(スポンサー求人)を掲載する方法には、①直接投稿、②クローリング、③データフィード(XMLフィード)の3つの方法があります。
③データフィードを活用したIndeedの広告(スポンサー求人)は、職種名や求人詳細情報などの表示のコントロールが可能で、常に最新の求人情報を掲載できるなどのメリットがあるため、より効果的なIndeed活用には、データフィードが活用されています。
Google動的リマーケティング(GDR)
Google動的リマーケティング広告(GDR)は、Googleディスプレイネットワーク面に配信されるGoogleが提供するディスプレイ広告の一つです。サイト訪問済みユーザーに対して、閲覧履歴に基づきカスタマイズされた内容の広告を自動で配信する広告メニューです。
最低出稿金額の定めがないため、ダイナミックリマーケティングに初挑戦する方にとって、比較的取り組みやすい広告といえます。
データフィード広告の効果を高めるためのデータフィード改善ステップ
では、広告効果を高めるためにどのようなデータフードを用意すればいいのでしょうか?
この章では、データフィード広告の効果を高めるためのデータフィード作成・改善について、4つのステップにわけて説明します。

STEP1. 媒体の仕様にあわせたデータフィードを作成する
繰り返しになりますが、データフィードの仕様は広告出稿先の媒体によって異なります。
また、同じ媒体であっても広告メニューや業種ごとに仕様が異なる場合もあります。
仕様に合致していない、必須項目が入っていない、既定の選択肢以外の値や不正な値、誤った情報が含まれているというケースでは媒体から承認されず、広告配信できません。
また、セール対象の商品なのにセール価格が正しく表示できておらず機会損失になってしまったり、誤った商品カテゴリが入力されていると広告エンジンの機械学習に悪影響を与えてしまいます。
まずは広告媒体のデータフィードの仕様を確認し、正しいデータからなるデータフィードを作成し、適切な広告を出稿できる状態を目指しましょう。
STEP2. データフィードを定期的に更新する
在庫の変動や新商品の追加、価格の変更など、サイトに掲載されている商品情報にあわせてデータフィードの情報も最新の状態に保てるよう、定期的に更新しましょう。
商材にもよりますが、最低でも1回 / 1日ほどの更新頻度が望ましいかと思います。
広告によってはデータフィードと広告のランディングページの情報に差異があると、その商品が不承認となり広告出稿できないケースもあります。
また、在庫切れの商品の広告を配信し続けることは、広告費の無駄にもつながりますし、何より、ユーザー体験を損なってしまいます。
これらのリスクを防ぐためにも、データフィード広告に取り組む際には一時的なデータフィードの作成だけでなく、データフィード更新の仕組みまでをセットで設計するとよいでしょう。
STEP3. 広告媒体の機械学習を最大化させるために情報を充実させる
広告媒体ごとにデータフィードのフォーマットはそれぞれ異なりますが、多くの場合は必須項目と推奨項目に分かれます。
商品タイトルや価格などの必須項目が無ければ出稿できないことがほとんどです。 反面、性別やターゲットの年齢層を示す情報などは、推奨項目であることが多いです。
必須項目だけでも最低限広告配信は可能ですが、推奨(任意)項目も含め、より多くの情報を提供することで広告エンジンの学習は最適化されていきます。
データフィード広告の効果を高めるためには、必須項目だけでなく推奨項目にもしっかり対応すべきです。
STEP4. クリエイティブ改善
データフィードは一度作成して終わりではなく、広告の成果に合わせ、スピーディな改修・改善が広告効果を高めることにつながります。
例えば、バナー広告の場合、CTRが悪ければに別のバナーに差し替えて効果の改善を図りますよね。データフィード広告に限らず、最初に設計したものがベストではなかったと判明することは多々あることです。
データフィード広告の場合は、データフィードの改修を通してクリエイティブの改善を行います。
アパレルECであれば、ブランド名が効果的に明示できているか?商品の魅力がきちんと伝わる説明文になっているか?途中で見切れていないか?正しい価格が表示できているか?画像は商品の魅力を伝えられているか?
求人サイトであれば勤務地や雇用形態など応募者の意思決定に必要な要素をしっかり訴求できているか?などが重要となるでしょう。
そのため、訴求ポイントが効果的に表示されるよう、クリエイティブから逆算したデータフィードの設計、改修が重要です。
以下の記事では、媒体毎のデータフィードの仕様やデータフィード最適化による広告効果改善方法を解説しています。是非ご覧ください。
さいごに
データフィード広告についてご紹介しました。
データフィード広告では、広告運用知識はもちろん、適切なタグ・パラメータ設計、データフィード構築・運用が求められます。いずれも広告の成果にダイレクトに影響するものです。
広告代理店を選定する際は、それらをトータルで管理・運用し、スピーディな改善ができるデータフィード広告を得意とする広告代理店に任せるのがおすすめです。
弊社フィードフォースでは、ダイナミック広告を中心に広告主様の広告運用代行サービスを行っております。ダイナミック広告・データフィードのプロフェッショナルとして、数多くの企業様をご支援しております。
広告施策の成果についてお困りの方は、下記よりお気軽にご連絡いただけますと幸いです。
2022/03/19 松元再編集