データフィードはプラットフォームの分散化やデバイスの多様化などの背景から、もはや、デジタルマーケティング領域において欠かせない存在となっています。

みなさんも「データフィード」というキーワードを一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

読んで字のごとく、”データをフィード(供給)するもの”と漠然と理解できていても、具体的にデータフィードをマーケティングにどう活かせるのか?と疑問をお持ちの方も多いかと思います。

「データフィードマーケティング」を簡単にまとめると、「テクノロジーの力を利用して、企業資産である商品データを、自動的にマーケティングに活用するという手法」です。
その結果、最小限の労力で、多様化したタッチポイントにおける施策を実現できる点が強みであると言えるでしょう。

本記事ではデータフィードとは何なのかという基本のおさらいから、データフィードをマーケティングに取り入れることで期待できる効果、導入のために必要なことに至るまでをまとめて解説したいと思います。

データフィードとは?

データフィードとは、「自社で保有している商品データを、配信先の媒体・プラットフォームのフォーマットに加工・変換して送信する仕組み」のことです。
または、単に加工したデータ自体を指すこともあります。

商品の名前や説明文、価格などの情報はデータフィードを利用することではじめて、さまざまなプラットフォームへの広告出稿や商品掲載に活用され得るものとなるのです。

配信先毎にデータフィードの仕様は異なるため、それぞれの媒体の仕様にあわせ、商品データを加工・最適化することが重要となります。

データフィードとは?

データフィード活用のメリット

データフィードをマーケティング領域で活用していくことには、以下のようなメリットがあります。

ユーザー行動の多様化・分散化への対応

多様化するユーザー行動に対応し、最適な情報(広告)を、最適なタイミングで届ける広告メニューでは、データフィードが必要不可欠です。

インターネット上でのユーザー行動の多様化・分散化は日々進んでいます。
デバイスの多様化、メディアの多様化によって、ユーザー行動はますます読みづらいものとなっているのです。

総務省の通信利用動向調査によれば、スマートフォンの保有率は平成28年を境に固定電話・パソコンの保有率を超え、令和元年には83.4%まで伸長しています。その影ではタブレット端末の普及も着実に進んでいることも踏まえると、ユーザーの保有デバイスは10年前と比較して大きく多様化していることがわかるでしょう。

主な情報通信機器の保有状況
(画像引用:総務省通信利用動向調査 令和元年調査

さらに、ユーザーのインターネットの利用目的もまちまちです。
年代別で区別しても、以下の表のように分布はまばらになっています。ユーザー個々人が自分にあった利用方法を主体的に見つけ出していく時代では、タッチポイントは無限と言っていいほどに広がっているのです。

インターネットの利用目的
(画像引用:総務省通信利用動向調査 令和元年調査

そんな中、デジタルマーケティングにおける、データフィードの活用領域は年々拡大しています。

2018年以降、LINE Dynamic Ads、Yahoo! のYDN動的ディスプレイ広告など、主要プラットフォームによるデータフィード広告のローンチや機能拡充が続いていることからも、データフィードの活用領域の拡大が見て取れます。

自動化によるコスト削減

データフィードによる広告出稿の自動化により、マーケターがより本質的なマーケティング活動に注力可能となることも大きなメリットであると言えるでしょう。

多岐にわたる広告出稿先や外部サイトに対して、商品在庫と連動した広告などのマーケティング施策を自動で展開できる点がデータフィードの強みです。
マーケターは、最小限の労力でさまざまなプラットフォーム・メディアに対応しつつ、本来注力すべき、よりクリエイティブな領域にコミットできるようになるのです。

機械学習による最適化の促進

各プラットフォームの配信アルゴリズムは日々進化しています。とりわけデータフィード広告においては大量のデータを活用し機械学習することで、広告効果は時間を追うごとに改善していきます。

媒体のもつアルゴリズムを最大限活用し効果をあげるには、広告プラットフォームの最適化を促すため、より多くの正しい情報を提供することが重要です。その役割の一部をデータフィードが担っています。

データフィードを活用したマーケティング

データフィードは主に広告領域で活用されるものではありますが、広告以外に対応していないというわけではありません。

多様化するユーザー行動に適応していくための新しいタッチポイントも活用できる可能性を秘めています。

ここでは、よく注目される「データフィード広告」と、「データフィード広告以外の活用方法」に分けて解説いたします。

データフィード広告

データフィード広告とは、データフィードを活用して、自社が保有する商品データを広告出稿先(媒体)のフォーマットにあわせて送信することで、広告クリエイティブを動的に作成し自動で配信できる広告です。

具体的には、以下のような種類があります。

TIPS

※一般的にデータフィード広告の中でも、ユーザーの行動履歴に基づき、ユーザー毎に最適化された広告を動的(ダイナミック)に配信する広告はダイナミック広告と呼ばれています。

大量のキーワード管理や商品ごとの広告クリエイティブ作成が不要で、また、複数の広告媒体など多岐にわたるタッチポイントに対して自動でパーソナライズされた広告配信ができるため、EC、人材、不動産、旅行業界など、多くの商材を扱う企業に最適な広告メニューです。

広告以外での活用方法:ECプラットフォーム

データフィードを活用できるのは、ダイナミック広告のみではありません。

広告以外の領域からも、ユーザーの購買行動を促進・サポートするようなマーケティング手法にデータフィードを用いることが可能です。

ここでは例として、近年勢いのあるECプラットフォームの中からGoogl無料リスティング、Facebook Shops、Instagramショッピング、LINEショッピングの4つをご紹介いたします。

Google無料リスティング(Free Product Listing)

Googleショッピングの無料リスティング枠(FPL)は、2020年10月に公開された、Googleショッピングタブに無料で商品掲載ができる機能です。

Googl無料リスティング(Free Product Listing)

現在は「ショッピング」タブのみに掲載エリアが限られていますが、今後「すべて」タブや「画像」タブへの掲載枠拡大も検討されています。

ユーザーがGoogleの検索ボックスに打ち込んだ検索語句に合わせ、Googleが関連性が高いと判断した商品を表示する「検索連動型」の仕組みで商品を訴求できます。

自社商品に関連のある語句を検索しているユーザーに商品を表示できるため、購入意欲の高いユーザーの獲得や、新規ユーザーの獲得にもインパクトのあるチャネルであると言えるでしょう。

Google無料リスティングを開始するには、Google Merchant Centerを開設し、Googleが求める仕様のデータフィードをGoogle Merchant Centerに送信する必要があります。
データフィードを最適化していくことで、無料リスティングの成果も高まりやすくなることがポイントです。

無料リスティングの始め方・データフィードの最適化についてさらに知りたい方は、ぜひ以下の記事をご覧ください。

Facebook Shops

Facebookショップ(Facebook Shops)は、FacebookやInstagramなどFacebookが提供するアプリ上に、無料で開設できるカスタマイズ可能なオンラインショップです(2020年6月国内提供開始)。

Facebook Shops
(画像引用:Facebook

ユーザーは、FacebookページやInstagramビジネスプロフィール、ストーリーズや広告からFacebookショップを見つけ、Facebookショップに掲載されている商品を閲覧したり、興味のある商品を保存して検討できます。
SNS上でもユーザーに自社商品をアピールできる点に注目したいチャネルです。

データフィードを活用すれば、事業規模や予算に関係なく開設可能である点がFacebook Shopsの最大の特徴です。

Instagramショッピング

Instagramショッピング(ShopNow)は、Instagramのオーガニック投稿やストーリーに商品名や価格などの商品情報を表示させるタグをつけ、タグをタップすることによって、商品詳細ページへ誘導し、そのまま利用者に購入を促すことでシームレスな購買体験を提供できる人気の機能です。

Instagramショッピング

買うと決まっているものを検索してカートに入れるのとは違って、偶然のめぐり会いで商品を発見したり、予定していなかったお買い物をするというのが、Instagramではメインのユースケースだと思います。(フェイスブック ジャパン社 広報 市村 怜子様)

上記のとおり、Instagramショッピングでは、より便利なショッピング体験を提供するための機能やフォロワー以外のより多くの人との「出会い」につながるしくみが用意されています。
より多くの潜在ユーザーにリーチすることが見込めるチャネルなのではないでしょうか。

データフィードを活用することで、多数の商品データの一括登録や定期的な更新、クリエイティブの最適化ができるため、効率的かつ効果的な運用が可能になります。

実際の導入方法・Instagramショッピングを始めるための要件などについては以下をご参考ください。

LINEショッピング

LINEショッピングは、ファッションや雑貨をはじめ、スポーツ、インテリア、家電、コスメなど様々な商品をLINEアプリ上から手軽に検索・比較・購入できる総合ショッピングサービスです。

LINEショッピング
(画像引用:LINE

ユーザーはLINEショッピング内に掲載された商品を横断的に比較・検索することが可能です。一方でLINEショッピングにはカート機能や決済機能がないため、商品を購入するには販売元のECサイトへ遷移する必要があります。

つまりLINEショッピングは、ショッピング目的のユーザーを集客し、各ECサイトへの送客を可能にするプラットフォームなのです。
ECサイトへの送客や、新規顧客獲得に効果を発揮できるチャネルであると言えるでしょう。

LINEショッピングへの出店・商品掲載時にもデータフィードは必須となっています。
商品データをLINEショッピング専用のフォーマットに変換してデータの連携を行う必要があります。

LINEショッピングへの掲載・出品についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事をご覧ください。

データフィード最適化(DFO)

商品データなどのデータはそもそもマーケティング利用目的で用意されたものではないため、それぞれ媒体の規定のフォーマットに従って、データフィードの構築・最適化を行う必要があります。

様々な媒体やチャネルのフォーマットに合わせて、また、効果改善のために、商品データを最適化することをデータフィード最適化(DFO:Data Feed Optimization)といいます。

データフィードの最適化は大きくわけて次の3つの工程に分けられます。

  1. 商品データ等マスターデータの用意
  2. データフィード構築・最適化処理
  3. データフィードの管理・運用

また、データフィードの最適化は一度行ったらおしまいではありません。
改善施策を実施するためのフィードの改修や在庫や新商品追加などデータの正確さ・鮮度を保つための管理・運用が、その後の成果の伸長を左右する重要なポイントなのです。

データフィード最適化(DFO)

データフィード(広告)を作成・運用するには?

データフィードを導入する際は、「データフィードの構築」、広告効果を高めるための「データフィードの最適化」、「継続した管理・運用」をトータルで検討することが重要です。
データフィードを導入するための方法は、大きくわけて以下の4つの方法があります。

自社開発

自社のシステムに併せて自社開発で導入する方法です。各媒体の仕様確認からシステム開発・テスト、継続的な改善と大がかりな開発工程が必要となります。また、媒体の仕様変更にも適宜対応していく必要があるため、難度は高いと考えたほうがよいでしょう。

データフィード広告を得意とする広告代理店を利用

データフィード広告を利用する場合は、データフィードの最適化だけでなく、適切なタグ・パラメータ設計や広告運用知識が必要となります。

タグやフィードの設計や運用は、広告効果にダイレクトに影響する大変重要な要素です。広告運用と密に連携し適宜修正・改善を行っていくことが望ましいでしょう。

しかし、タグやフィードの整備は専門的なノウハウが必要とされる場面が多くあります。自社でのタグやフィードの整備を含めた広告運用が難しい場合は、データフィード広告運用を得意とする広告代理店を利用することも一つの方法です。

Feedmaticは、データフィード・タグ・運用の最適化を一貫して行うことで、広告効果の最大化をめざす広告代理店です。データフィード広告を軸に、様々な広告メニューの組み合わせで幅広い広告戦略をご提案します。

データフィード管理ツール(SaaS)を利用

データフィード管理ツールを利用することで、マーケティング・広告運用担当者が自身でデータフィードの構築から運用・管理までを行えます。

運用コストを削減しながら規模にあわせた運用調整が可能です。また、配信準備・改善のPDCAをスピーディに回せ、ノウハウの蓄積にもつながるというメリットがあります。

アウトソース型サービスを利用

データフィードに関する専門性の高いノウハウをもち、準備からデータフィードの構築、最適化、運用、エラー監視体制までオールインワンで提供するアウトソース型サービスを利用する方法です。

最新の媒体情報のキャッチアップもしっかりと行っていることから、仕様変更にも柔軟に対応できます。

さいごに

データフィードの基本のおさらいから、データフィードをマーケティングに取り入れることで得られるメリット、導入のために必要なことに至るまでをご紹介いたしました。

広告のみに限らないデータフィードの活用領域について、可能性を感じていただけていれば幸いです。

今後も、データフィードの活用・改善に役立つヒントをご紹介していきます。