こんにちは。Feedmatic広告運用コンサルタントの齋藤です。
商品データを活用して既存顧客に購入を促す「ダイナミックリターゲティング広告」として知られるCriteo広告ですが、近頃はリターゲティング広告だけでなく、認知や流入を目的としたアッパーファネル向けのプロダクトを活用するアカウントが増えてきました。
そんなアッパーファネル向けのプロダクトとしてローンチされた「Criteo動画広告」について仕様はもちろん、他の動画広告との違いや活用のポイントまで解説します。
Criteo動画広告とは?
Criteo動画広告は、名前の通り、動画クリエイティブを利用したCriteo広告プロダクトのひとつです。
リターゲティングをはじめとした3rd Party Cookieを利用した広告が個人情報保護の観点から厳しくなってきた昨今。既存顧客だけでなく、サービスやブランドを認知していない潜在層に対していかに魅力を伝えるかが広告にとっての重要な役割となってきました。
これまでは既にサイトに来訪したことのあるユーザーに対して、そのユーザーが興味があるであろう商品を動的に広告表示するというクリエイティブがメインだったCriteoですが、Criteo動画広告では商品検討段階の顕在層だけでなく、まだブランドを知らない潜在層に対して、ブランドのストーリーや世界観を伝えることができます。
あらゆる動画広告のなかでも、Criteo動画広告の強みはCriteoが持つ膨大なオーディエンスデータとそれを活用した高精度な機械学習エンジンです。
既にCriteo広告を活用したことのある方は、その費用対効果の高さを実感されている方も多いのではないでしょうか。
また、TikTokなどのSNSアプリと比較すると配信できる面が圧倒的に広く、単純にユーザーにリーチできる機会が多いという魅力もあります。
これまで多くの実績を残してきた優秀な機械学習エンジンと、広い配信面をもっているという強みを活かし、ユーザーにとってより最適なタイミングに広告表示できるという点がCriteo動画広告の強みであると言えます。
配信できるオーディエンス
動画広告への注力が進む中、多くの広告媒体で動画利用が可能となっています。
そのなかでもCriteoが持つ強みは、膨大なオーディエンスデータを活用した高精度なターゲティングです。
Criteo動画広告で利用できるオーディエンスパターンは、ユーザー属性を指定するターゲティング(Commerce Audirence)と類似拡張配信(Similar Audience)の2種類です。
ユーザー属性によるターゲティング(Commerce Audience)
ターゲットに合わせてCriteoが保有するオーディエンスから属性を選択する方法です。
Criteoが持つ膨大なオーディエンスの行動データを基に、以下のタイプからオーディエンスを作成できます。
- 商品カテゴリ
※Google product categoryに準拠 - ブランド
※例:NIKE、Adidasなど - 性別
※男性、女性から選択 - 購入力
※低、中、高から選択
サイト全体の既存ユーザーの傾向や新規獲得したいユーザー層の属性に合わせて、カスタムしましょう。
過去に配信したCVデータが蓄積されていない場合は、まずはCommerce Audienceを利用することをお薦めします。
類似拡張配信(Similar Audience)
サイトに流入したユーザーのデータをもとにユーザーを拡張し、類似ユーザーをCriteo側で自動選定します。
- 既存ユーザーの数値化
購入履歴やエンゲージメントなど既存ユーザーの動きを数値化 - 類似オーディエンスの特定
Criteoエンジンがスコアリングしたユーザーデータから、類似ユーザーを特定 - 類似オーディエンスへ配信
エンゲージメントを予測し、質も高いユーザーに最適化し配信
リアルタイムにサイトのユーザー行動データを分析しオーディエンスが更新されるので、常に最新の類似ユーザーに配信できます。
Similar Audienceは既存ユーザーのデータが必要になるため、ある程度配信実績があり、学習母数が必要となります。
Commerce Audienceよりオーディエンス数は小さいことが多いものの、よりエンゲージメントに近いユーザーに配信できるため、データが溜まり次第こちらのSimilar Audienceを活用することをおすすめします。
配信フォーマット
インストリームビデオ
ストリーミング動画コンテンツの前、途中、終わりに再生される動画広告です。
ユーザーが閲覧したい動画の前や途中に表示されるため、ユーザーが「動画をみる」ことに集中した状態で広告表示できるというのがポイントです。
ユーザーのストレスや不快感を覚えない様、コンテンツや見せ方には配慮が必要です。

- 配信面:PC・モバイル
- 長さ:15~30秒が推奨
アウトストリームビデオ
先ほどのインストリームが動画コンテンツ内に表示されるタイプであったのに対し、アウトストリームは動画コンテンツ外のウェブコンテンツや記事の途中に挟みこまれる広告です。
ウェブコンテンツ内に違和感なく差し込むことができれば、ユーザーへ与えるストレスも小さいです。
ただし、通常のバナー広告同様にユーザーのアテンションをひきつけられなければ閲覧されないので、クリエイティブの工夫はもちろんのことターゲットが定まっておりCriteo上での配信対象をしっかり絞り込めている場合に選択することをお薦めします。

- 配信面:PC、モバイル、アプリ面
- 長さ:15秒以内の動画が推奨
縦型ビデオ
こちらは主にアプリ面で表示されるモバイル特化型のタイプです。
モバイルの全画面フォーマットに対応しているので、大画面でユーザーの興味を引きやすいのが特徴です。
ただしこちらもアウトストリームビデオと同様にユーザーが「動画をみる」モチベーションになっていないことが多いため、適切なターゲット絞り込みが重要となります。

- 配信面:モバイルアプリ面
- 長さ:15~30秒の動画が推奨
入稿・出稿規定
- フォーマット:mp4
- 動画時間:最長30秒
- ビデオ設定可能数:最大6種類
- 解像度:720p 以下
- 動画ファイルサイズ:最大25MB
- 動画アスペクト比:16:9(横型動画)、9:16(縦型動画)
※16:9と9:16に関しては推奨素材となります。二つなければ実装不可ということではありません。 - 遷移先URL:1URL(パラメータ付きのURLも設定可能)
Criteo動画広告活用のポイント
広告の効果測定や評価には、VCR(完全視聴率)やCPR(完全視聴単価)を用いる
Criteo動画広告ではエンジンが「動画視聴完了」を最適化対象として学習を進めるため、広告の効果測定や評価には、VCR(完全視聴率)やCPR(完全視聴単価)を用いることを推奨しています。
リターゲティングキャンペーンはもちろん、アッパーファネル向けのCCAやトラフィックジェネレーションとも最適化対象が異なる点に注意です。
最低出稿金額と期間
また、Criteoの規定上、最低出稿金額は50万円から、最低配信期間は1か月間となりますので、一定のボリュームを出すことを想定したうえで配信開始するようにしましょう。
- 最低出稿金額:50万円~
- 最低配信期間:1か月~
- 推奨KPI:VCR、CACV
- 最適化指標:Video Complete View Optimizer
- オーディエンス:Commerce Audience or Similar Audience
出典:媒体資料「Awareness Video」
もちろん管理画面から媒体計測でのVCR、CPCVなどのレポートの確認が可能です。
視聴数が増えるにつれて最適化が進んでくるため、2週間程度でVCRやCACVの変化が確認できるかと思います。

以上、Criteo動画広告についての紹介でした。
動画広告媒体を検討中の方や、Criteoを認知目的で活用したいという方の参考となれば幸いです。