こんにちは、フィードフォースで広告運用コンサルタントをしている杉崎です。

ダイレクトレスポンス向けの施策としてメジャーなCriteo。最近ではリターゲティングだけでなく、新規ユーザーの流入や獲得を目的とした配信手法も活用が広がっています。

目的に応じたターゲティングや入札エンジンを選択することで、狙った成果を期待できる一方で、その選択はもちろん、タイミングも間違えてしまうとまったく期待外れの結果になってしまうこともあるのです。

Criteoは幅広い調整レバーが用意されている分、今置かれている状況でどの選択肢を取ればいいのか分からない、という方も多いのではないでしょうか?

今回は特に重要な「入札エンジンの選択方法」にフォーカスし、新しくCriteoを始めた場合はどのような設定をすべきか、そこから更に成果を拡大させるためには、どう設定を変更していくべきか、ECサイトでの配信事例を交えながらご紹介します。

Criteoエンジンの種類

恐らくこの記事の読者はCriteoについてはすでご理解いただいている方が多いかと思いますが、あらためてCriteoの基本、また、どのようなエンジンが用意されているのかご存知でない方は、過去の弊社ブログ記事で詳細にご説明しておりますのでぜひご一読ください。

今回は、ECサイトでの売上拡大を目的とした場合に、入札エンジンの使い分けがどのように成果に影響したのかをお伝えいたします。

最初は「COエンジン」からスタート!

サイトに訪れたユーザーに向けて売上拡大を目的とした広告配信を行う場合は、Criteoのリターゲティング配信が有効です。

Criteoのリターゲティング配信を始める際に、一番最適なエンジンはCO(CVR Optimized・CVR最適化・旧CRO)エンジンです。

Criteoに限らず、機械学習を活かして成果を向上させる種類の広告媒体は、その学習データを得ることが配信初期における第一の優先事項となります。

機械学習のもとになる学習データをより多く、効率的に獲得できるエンジンがCOエンジンです。そのため、学習データが溜まっていない開始初期はデフォルトでCOエンジンが選択されています。

注意点としては、効率的なCVの獲得を目的とした配信であるため、単価の安い商品のCVが増えてしまったり、配信初期は機械学習が溜まっていない状態での配信となるため、獲得単価が理想よりも高くなってしまうケースもあります。

ただし、それは「成長痛」のようなもので、Criteoとしても、開始初期はどのようなユーザー、クリエイティブが獲得に繋がるのかが分からず、さまざまパターンをテストしている時期でもあります。

そのため、成果が大きく上振れたり、下振れたりすることは珍しくありません。

何事も、新しい取り組みを始めた時はつい期待してしまいますが、特にこの時期は日々の成果に一喜一憂せず、落ち着いてCriteoの学習が進むことを見守っていただければと思います。

次に選択するのは「ROエンジン」

COエンジンで安定的にCVが獲得できるようになったら、次のステップとしてエンジンの変更を検討してみましょう。

ECサイトの場合、広告の目的を「売上拡大」とされている企業が多いかと思います。そうした、広告経由の売上額を学習データに利用するのがRO(ROAS Optimized・ROAS最適化・旧COSO)エンジンです。

COエンジンはより多くのCV獲得を目指すエンジンであるため、広告経由の収益については最適化項目に含まれていません。

対してROエンジンは、広告経由の売上も学習材料にしていくため、高収益が見込めるユーザーに商品の購入を促し、より効率的に費用対効果が最大化するように学習していきます。
そのため、売上拡大を目的とするECサイトに適したエンジン
となります。

注意点としては、下記に記載する条件をクリアしていないとROエンジンを利用する(上手く働かせる)ことができません。

  • 条件
    • COエンジンもしくはACOエンジンで7日間以上配信
    • 過去21日間デイリー平均4件以上のCV数

そのため、目的がROASだからとは言え、いきなりROエンジンに変更するのではなく、ある程度CV獲得の実績が溜まった状態になってから、変更することを推奨します。

エンジンの変更方法

エンジンは管理画面から設定内容を選んでいくだけで、簡単に変更が可能です。
ただし、分かりやすく「COエンジン」や「ROエンジン」といった記載がしてあるわけではありませんので、その点はご注意ください。

1.管理画面の「キャンペーン」→「広告セット」→変更したいキャンペーンの右端にある3点リーダーをクリック

2.「名前、入札、予算、スケジュール」をクリック

Criteo 管理画面エンジン変更

3.「エンジン」→「売り上げを促進」をクリック

4.「最適化指標」→「入札エンジンを管理する方法を選択」→「CPC/CPMによる制御」を選択

Criteo 管理画面エンジン変更

5.「入札指標」→CPC/CPMを選択し、入札単価を入力→「変更内容を保存」をクリック

最終的に目指したい「AROエンジン」

ROエンジンから更なる成果向上を狙う場合は、AROエンジン(Adaptive ROAS Optimized・目標ROAS自動最適化)への変更が有効です。

ROエンジンとAROエンジンの違いは入札方式で、ROエンジンはCPCを管理画面で設定する手動入札です。

対してAROエンジンは、目標値となるCOS(広告費/売上をパーセントで表した指標。ROASと同義)を設定し、設定したCOSに対してCriteoが自動でCPCを調整する自動入札のエンジンとなります。

AROエンジンではCPCの変更がCriteoにより自動で行われるため、COやROエンジンでの配信時と比べて、大きく上昇することがあります。

その分、指標としている目標のROAS(COS)達成に向けて、エンジンが学習し自動でCPCも調整してくれるので、高効率で売上最大化を狙うにはベストなエンジンとなります。

ただし、CO→ROへの変更時と同様に、RO→AROへの変更もCV数などの条件があります。
配信状況を確認いただき、下記の条件をクリアできているようであればぜひ是非トライしてみてはいかがでしょうか。

  • 条件:
    • ROエンジンもしくはACOエンジンで7日間配信
    • 過去21日間デイリー平均3件のCV数

エンジンの変更方法

基本的な操作はROエンジン変更時のものと同じです。「エンジン」は「売上の促進」のままで、「最適化指標」の「入札エンジンを管理する方法を選択」で選択する項目が異なります。

1.「最適化指標」→「入札エンジンを管理する方法を選択」→「KPIによる管理」を選択

2.「COSを設定」→目標とするCOS値を入力→「変更方法を保存」をクリック

Criteo 管理画面エンジン変更

目標がCPAの場合は「ACOエンジン」を目指そう

ECサイトの場合はROASを指標として運用しているケースが多いですが、求人情報サイトや不動産情報サイトでは、応募や問い合わせのCPAを指標としているケースが多いかと思います。その場合はACO(Adaptive CPO Optimized・目標CPO自動最適化)エンジンへの切り替えを目先の目標にして運用されるとよいでしょう。

COからACOへの変更条件は以下となります。

  • 条件:
    • COエンジンもしくはAROエンジンで7日間以上配信
    • 過去21日間デイリー平均3件以上のCV数

エンジンの変更方法

基本的な操作はこれまでと同じで、「エンジン」は「コンバージョンを促進」を選択し、「最適化指標」は「KPIによる管理」で、目標のCPOを入力、「変更内容を保存」で完了です。

1.「エンジン」→「コンバージョンを促進」を選択

2.「最適化指標」→「入札エンジンを管理する方法を選択」→「KPIによる管理」を選択

3.「入札単価(CPO)を指定」→目標とするCOS値を入力→「変更方法を保存」をクリック

Criteo 管理画面エンジン変更

成果が安定しなくなったら?AOエンジンがゴールではない

AROやACOに変更できたら、もうエンジンを変更する必要はないのでしょうか?

いえ、そんなことはありません。もし何かの要因でCV数が落ちてしまった場合は、COへ戻すといった調整も必要になります。

前述した通り、各エンジンが正しく機能するには、それぞれに定められた一定以上のCV数が必要です。
例えばAROの場合は直近21日間のデイリーCVが3件を下回ってしまうようだと、エンジンの目的に沿って学習を進めることが困難になり、成果が落ちてしまう要因の1つになります。

AROではCPCを自動で調整するため、さきほど事例として挙げたようなCVRやROAS・売上の上昇が期待できます。

例えばサイト改修により一時的にタグが外れてしまったなど、何かのきっかけで成果が大きく落ち込んでしまい、そこからのリカバリーがなかなか進まない場合は、AROを再度COに戻すことも検討してみてもいいでしょう。

COに戻すことでCVの獲得に向けて学習が再スタートされるので、CV(=学習データ)が溜まりやすくなり、不調だった状態からの回復が期待できます。

変更後、安定してCVが獲得できる状態にまで戻ったら、再度ROやAROでの配信をトライされると良いのではないでしょうか。

ECサイトでの数値変化の推移

弊社にて運用しております、ECサイト様でのエンジン変化の推移を参考までにご紹介します。

こちらのサイト様は弊社でCriteoを初めて配信開始し、段階を踏んでCO→RO→AROへと変更しました。

どのエンジンも、配信期間やご利用広告費はほぼ変わらずで、COからROへ変更した際はそこまで大きな変化は見受けられなかったのですが、ROからAROへ変更した前後で約2倍までCPCが上昇し、CVRも同程度まで上昇しました。

これは、CPCの制限が無くなったことで、より売り上げへの期待値が高いユーザーへ強く入札されるようになったことで、CPCとCVRが上昇したと考えられます。

ECサイトでのエンジン変更による数値変化の推移
ECサイト:Criteエンジン切り替えに伴うCPC、CVR変化の推移
お役立ち資料ダウンロード
ホワイトペーパー:Criteo広告改善手法

タグの実装やデータフィード最適化が、Criteo広告の効果に影響があるとはいうけれど、具体的にどうしたら…。という方は是非!

”成果を出すため”に知っておきたい Criteo広告の改善施策やCriteoの最新機能をホワイトペーパーにまとめました。

まとめ

今回は、目的や段階に応じてどのようなエンジンを選択すべきか、具体的な変更方法まで含めてご紹介しました。

幅広い種類のエンジンが用意されている一方で、どれを選択すべきか悩んでしまう時もあるかと思います。また、一概に「ECだからAROがベスト!」とも言い切れず、弊社で運用しているサイト様でも、段階を踏んでエンジン変更にトライした結果、現在はROやCOに落ち着いているケースもございます。

大切なのは、エンジンの仕様を理解したうえでさまざま様々なアプローチを試し、成果を見ながらどの設定が最も適しているのかを探ることだと考えています。

場合によっては大きく数字が変化する可能性もございますが、本記事をご参考いただきトライ&エラーを繰り返した先、最適なエンジンが選択できる未来があることを祈っています。