こんにちは!フィードフォースで広告運用コンサルタントをしている杉崎です。

AppleのiOS14.5が2021年4月末にリリースされ、App Tracking Transparency(以下、ATT)の適用が開始されました。

2021年7月時点で日本では8割を超えるユーザーがアップデート済みという調査結果もあり、アプリ起動時にデータ収集のパーミッション画面が表示されたことのある方も多いのではないでしょうか。

自社アプリの集客で広告を利用している企業にとって特に注目度の高いATT。それがマーケティング施策にどのような影響を与えるのか、今回はCriteoアプリ広告に絞って解説します。

5分程度で読める内容ですが、お時間の無い方は最後の「まとめ」をご覧ください。

Criteoアプリ広告とATTのおさらい

まず、Criteoアプリ広告とATTについて、簡単におさらいしましょう。

Criteoアプリ広告について

WEB広告で広く利用されているCriteoですが、アプリのインストールやアプリ内コンバージョンの促進など、目的に応じた3種のソリューションが存在しています。

インストールキャンペーン

アプリを持っていない人へ、アプリをインストールしてもらうための広告

リエンゲージメントキャンペーン

アプリを持っているが一度も利用がない / 長期間利用がないユーザーへ、アプリを再度使ってもらうための広告

ダイナミックリターゲティングキャンペーン

アプリを持っているユーザーへ、アプリで閲覧した商品や関連商品をダイナミックバナーで表示し、購入を促進するための広告

Criteoアプリ広告については、過去の弊社記事でも詳細に解説しております。こちらもあわせてご参照ください。

App Tracking Transparency(ATT) について

ATTはiOS14.5から実装され、ATTによりアプリがIDFAを取得するには事前にユーザーの許可が必要になりました。すでに新規のアプリ公開やアップデート時には、アプリへのATTの実装が必須になっています。

SDKツールのAppsFlyerによる2021年7月13日に発表された調査レポートでは、トラッキング(IDFAの取得)を許可したユーザーはグローバル全体で約45% といった記載があります。私個人的には思ったよりも高い結果に感じましたが、半分以上のユーザーがオプトアウトしているという状況で、ATTによりIDFAの取得がかなり困難になっている状況が伺えます。

AppsFlyer「アプリ業界に与える影響」
iOS 14とATTがモバイル
AppsFlyer「アプリ業界に与える影響」より引用し弊社にて加工

ATTはCriteoアプリ広告へどのような影響を及ぼすのか?

アプリインストールキャンペーンの場合

アプリのインストールを促すアプリインストールキャンペーンにおいては、「インストール済みユーザーリスト」「配信枠」「計測」の3点に影響が生じます。

インストール済みユーザーリストへの影響

インストールキャンペーンの場合、すでにアプリをインストールしているユーザーのIDFAを広告配信開始前にCriteoへ共有し、そのIDFAを除外する形でインストールしていないユーザーへの配信を行います。

しかしながら、アプリをインストールしていてもATTでオプトアウトしているユーザーのIDFAは取得できず、インストール済みユーザーのリスト数の減少が想定されます。

配信面への影響

Criteoアプリ広告の配信面はWebとアプリがありますが、アプリ面へインストール広告を配信するには、広告を配信するアプリでユーザーがオプトインしている必要があります。ユーザーがアプリを利用しても、オプトアウトしている場合はIDFAを取得できないため、インストール広告を配信できません。

そのため、ATT実装以前と比較し広告の配信ボリュームが減少します。

計測への影響

インストール広告を通じてインストールしたアプリを初めて起動した際は、ATTのパーミッション画面が表示されます。そこでオプトインするとIDFAをCriteo側でも取得できるのですが、オプトアウトした場合はIDFAを取得できません。

Criteoが広告成果としてインストールを計測できるのはIDFAを取得できる場合のみであるため、広告経由でインストールしたとしても、そのアプリでオプトアウトされた分のインストールはCriteo管理画面上で計測されません。

対して、AppsFlyerやAdjustなどのモバイル計測ツールは、独自の方法(Device Matching や Probabilistic 計測など)で計測が可能なため、Criteo管理画面上の数値と、モバイル計測ツール側の数値とで乖離が生じる可能性があります。

ATT(App Tracking Transparency)による広告の計測への影響

リエンゲージメント / リターゲティングキャンペーンの場合

すでにアプリをインストールしたユーザーへ再利用を促すリエンゲージメント広告や、購入などアプリ内でのコンバージョンを促進するリターゲティング広告は、自社のアプリだけでなく、配信面としての他社アプリ、両方でユーザーがATTをオプトインしている必要があります。

自社アプリを利用しているユーザーのIDFAと、特定の広告枠としてのアプリを利用しているユーザーのIDFAがマッチしていることをCriteoが確認できた場合に、広告が配信される仕組みとなります。

ATT(App Tracking Transparency)による広告の配信面への影響

そのため、どちらか一方だけオプトインしていても広告は配信されないため、配信対象オーディエンスが減少してしまいます。これにより、インプレッション数やクリック数、コンバージョン数といった数値の減少が想定されます。

ただし、インストール広告とは異なり、リエンゲージメント / リターゲティングキャンペーンの場合、配信されているユーザーは上記の通り自社アプリ、配信面アプリ、共にATTをオプトインしている前提となりIDFAを取得できる状態であるため、計測については欠損無しで配信可能です。

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まとめ

これまでの内容をまとめます。

  • iOS14.5 以降では、IDFAの取得にATTをオプトインする必要がある
  • 80%以上のユーザーがすでにiOS14.5にアップデートしている
  • Criteoアプリインストール広告では、配信除外するインストール済みユーザーのリストの減少・配信面の減少・計測の欠損が発生する
  • Criteoアプリリエンゲージメント広告 / ダイナミック広告では、オーディエンスは減少するが計測は欠損しない

以上、ATTがCriteoアプリ広告に及ぼす影響をまとめました。ATTは不可逆的な進化であり、iOS14.5へのアップデートが進むにつれ、広告の成果に影響が生じるは致し方のないことと考えております。

アップルは「あなたのデータの一日」という報告書で説明しているように、これまで大量の個人情報やそれに紐づく行動データが、利用者の同意なく収集・活用され続けていたことを問題提起すると同時に、今後はデータ利用の透明性を高め、ユーザー自身が自らのデータを細かくコントロールできる世界を提唱し、実際に作り始めています。

データ利用の選択権を自身が明確に持てるようになったこと自体は、私個人的には非常に素晴らしいことと捉えています。一方で、広告施策の評価が変わることに対して、今後は特に感度を高め、各プレイヤーの動向をウォッチし柔軟に対応し続けることがより大切になってくると感じています。

皆様のマーケティング活動のお役に立てるよう、今後も最新情報をキャッチし当ブログで発信して参ります。ご参考にしていただけますと幸いです。