こんにちは、フィードフォースで広告運用コンサルタントをしている 黒河 です。
「Facebook広告を配信したいけど、どんな特徴や配信手法があるか分からない」
こんな悩みを抱えている方に向けてFacebook広告の特徴や成功のポイントをまとめました。
Facebook広告の種類や掲載場所はもちろん、Facebook広告ならではの強みや相性がいいビジネスについて分かりやすく紹介します。
Facebook広告とは
Facebook広告は、FacebookやInstagram、Messenger、オーディエンスネットワークへ配信できる広告です。
高精度なターゲティングが強みで、商品やサービスの認知獲得から比較検討、販売促進やロイヤリティ育成まで、あらゆるマーケティングの目的に合わせた広告ソリューションが揃っており、Web広告にはじめて取り組む場合でも取り掛かりやすい広告です。
Facebookのユーザーは、国内で毎月2,600万人※が利用しているといわれています。
これだけでも国内総人口の約5人に1人が使っている計算なので、Instagramやオーディエンスネットワークを含めるとかなり多くのユーザーへ広告を配信できるイメージが湧くと思います。
オーディエンスネットワークとは、グノシーやスマートニュースといったニュースアプリや少年ジャンプ+のようなマンガアプリなど、Facebookと提携しているアプリケーションの集合体のことを指します。
Facebook Media Guide 2021年下期(7-12月版)より
Facebook広告の掲載面と特徴

広告の配信先であるFacebookやInstagram、Messengerや提携アプリケーションにおいて、広告掲載する場所を細かく指定できます。
例えば、ユーザーが写真や文章を投稿するフィードや投稿後24時間で消えるストーリーズを広告掲載の場所として選択できます。
Facebook広告の主な配置
- フィード
- ストーリーズ、リール
- インストリーム
- Facebook上の検索結果
- Messenger広告メッセージ
- Facebookインスタント記事内
- 外部アプリやサイト(オーディエンスネットワーク)
掲載面の種類が多いため、広告配信を始めたばかりのタイミングでは、どの掲載面に予算を投資するべきかの判断が難しいかもしれません。
Facebook広告は配信結果をもとに自動で成果の良い掲載面に予算を多く投資するように設定できますので、予算の投資先に困った場合は、初めに自動化で幅広い面に広告を配信し、後から掲載面を絞り込むよう手動で調整する方法をおすすめします。

Facebookは日本国内だけで毎月2,600万人が利用するSNSで、ユーザーの男女比率は男性が53%、女性が47%となっています。
25~54歳の年齢層がユーザー全体の75%を占め、男性ユーザーの60%が25-44歳です。
Instagramやオーディエンスネットワークを含めた掲載面の中で最も広告を掲載できる場所の選択肢が多いという特徴があります。

Instagramはユーザー全体の57%が女性で、15~29歳女性の50%以上が利用しています。
また、Instagramの特長としてユーザーの行動を促す効果が大きい点も挙げられます。例えば、2021年のFacebook社広告媒体資料*によると、ユーザーの82%がInstagram上の投稿がきっかけで商品の購入やサービスへの申込みなどの行動を起こしたことがあると回答しています。
このように、掲載面ごとにユーザーの男女比や年齢層は異なります。
はじめはさまざまな面に広告を配信し、配信結果を参考にしながら費用対効果の高い面に絞り込んで広告を配信することをおすすめします。
Facebook Media Guide_2021_H1_Final
Facebook広告のキャンペーン
広告を配信する目的に合わせてキャンペーンと広告フォーマットを選べます。
キャンペーンは認知と検討、コンバージョンの中から目的に応じて設定できます。
実店舗を運営していて来店数を増やしたい場合は来店数の増加を、ブランドを運営していて認知度に課題を感じている方はブランドの認知度アップをキャンペーンの目的に設定すると、Facebook広告がマーケティング目標の達成に貢献してくれます。
ジャンル | 目的 |
認知 | ブランドの認知度アップ |
リーチ | |
検討 | トラフィック |
エンゲージメント | |
アプリのインストール | |
動画の再生数アップ | |
リード獲得 | |
メッセージ | |
コンバージョン | コンバージョン |
カタログ販売 | |
来店数の増加 |
Facebook広告の種類・フォーマット
広告フォーマットには、ブランディングや興味喚起、製品の販売といった目的に適したものが存在します。
配信の目的 | フォーマット |
ブランディング | 動画・スライドショー |
サイトまたは店舗への誘導 | クーポン |
興味喚起 | リード獲得・インスタントエクスペリエンス |
興味喚起または製品・サービスの販売 | コレクション・カルーセル・ダイナミック |
スライドショー

スライドショーは複数枚の画像からスライドショー形式の動画を作成できる広告フォーマットです。
3~10枚の画像を素材として選択し、画像の表示時間とスライドの仕方を設定するだけで広告の作成が完了します。他にもBGMや作成される動画の縦横比を選択できます。
動画は利用者の目を引きやすく、会社や商品、サービスの認知獲得やブランディングに有効です。
動画の撮影や編集を行う必要がないため、簡単な操作で動画を作成できるスライドショーは動画の作成に時間と予算をかけられない方にもおすすめです。
また、商品やサービスのイメージ画像とブランドメッセージ入りの画像を掛け合わせることで、よりブランドの世界観が伝わります。
カルーセル

カルーセルは複数の画像・動画やリンクを設定できる広告フォーマットです。
広告を掲載する場所によって設定できる画像や動画の数に限りがあります。
例えば、ストーリーズで配信する場合に設定できる画像の枚数は3枚ですが、データフィードを活用して配信する場合は10枚まで設定できます。
商品データをもとに広告が自動生成されるダイナミック広告という手法を用いることで、最大30枚まで設定が可能です。
画面全体に画像・動画、テキストが映し出されるため、視覚的な魅力を画像や動画で伝えて興味を持ってもらい、ユーザーに行動を促すメッセージをテキストで入れられます。
リード獲得
リード獲得は、インスタントフォームを使用して、商品やサービスに興味を持つユーザーの情報を取得できるフォーマットです。
広告をクリックしたユーザーは資料のダウンロードやプログラムへ参加するためにフォームへの情報記入を求められます。
フォームはカスタム質問を3問まで設定できるため、潜在顧客への理解を深めることにも役立ち、取得したユーザー情報はfacebookビジネスマネージャーに送信され、ダウンロードしたり、MailchimpやSalesforceなどのCRMシステムにリンクし、蓄積できます。
インスタントエクスペリエンス

インスタントエクスペリエンスは広告がクリックされた後にフルスクリーンで表示され、没入感のある体験を実現する広告フォーマットです。
端末を傾けるとスクロールするパノラマ画像や動画など、ユーザーの行動に作用する多彩な表現が特徴です。カルーセルやシングル画像、スライドショーと言ったほとんどのフォーマットで使用できます。商品の魅力を様々な角度から見てもらいたい方におすすめです。
コレクション

コレクションはメインビジュアルの動画または静止画像と3枚の商品画像を組み合わせたフォーマットで、インスタントエクスペリエンス同様にフルスクリーンで表示されることが特徴です。
動画で利用者の注意を惹き、広告がクリックされた後に商品紹介ページを表示してユーザーの興味喚起と購入を促せます。
テンプレートが複数用意されており、特定のジャンルの商品を押し出したい場合やブランドストーリーを伝えたい場合、購入まで繋げたい場合など、目的に応じて利用できます。
Facebook・Instagaramダイナミック広告

Facebookダイナミック広告は企業の商品情報とサイト訪問履歴の情報をもとに、リンク広告やカルーセル形式の広告を自動的に生成してくれるフォーマットです。
ユーザー一人ひとりに適した商品の広告を、価格や在庫情報と連動した形で動的に広告表示できるため、Eコマースをはじめ、自動車業界や旅行業界、不動産業界など複数の商材を扱う企業において効果をあげています。
高精度なターゲティング
Facebook広告の強みは、高精度なターゲティングにあります。
Facebookは、ユーザーが登録している居住地エリアや勤務先といった利用者情報に加え、ライフイベントや興味関心などのさまざまなデータを取得しています。

また、実名制のSNSである点が他の広告媒体と大きく異なるポイントで、生年月日や性別などの個人情報も正確に入力されていることが多いので、人ベースでの高精度なターゲティングを可能にします。
そんな高精度なターゲティングを強みとするFacebook広告には、ターゲティングの種類が3つあります。
- コアオーディエンス
- カスタムオーディエンス
- 類似オーディエンス
コアオーディエンス
コアオーディエンスは、表のカテゴリと関連する情報からターゲットを設定して広告を配信できるターゲティング手法で、大きく5つのカテゴリがあります。
カテゴリ | 情報 |
位置情報 | 広告を配信したい国や都市 |
利用者データ | 年齢、性別、学歴、役職など |
興味・関心 | 広告でリーチしたい人の関心(例:オーガニック食品やアクション映画) |
行動 | 過去の行動履歴やデバイスの利用状況(例:過去3ヶ月以内でサイトに訪れた) |
つながり | 広告主のFacebookページやイベントとつながっているかどうか |
例えば、行動のカテゴリでは過去に自社サイトを訪れたことがある人やスマートフォンを使う人を選択できます。
購入履歴のない新規のユーザーを獲得したい場合、過去にサイトを訪ずれて商品を購入した履歴があるユーザーに広告の配信をしない「除外」設定をすると効率的に広告費を投資できます。
カスタムオーディエンス
カスタムオーディエンスは、自社が保有している顧客のメールアドレス等のユーザーデータと、Facebookの保有するユーザーのデータベースを照らし合わせてターゲティングを行います。

一度自社サイトに訪問したユーザーがFacebookを利用した際、自社広告をリターゲティング配信します。これによって、ユーザーの購買意欲が高いうちに購入を促せます。
自社サイトに訪れてから経過した日数をもとに広告配信する期間(リーセンシー)を設定できるため、不動産などの検討期間が長い商材はリーセンシーを30日間のような長い期間で設定し、検討期間が比較的短いアパレル商品はリーセンシーを7日間のような短い期間で設定するなど、商材の検討期間によってリーセンシーの調整をおすすめします。
類似オーディエンス
類似オーディエンスは、自社とFacebookのデータベース上でマッチしたユーザーと類似したユーザーをFacebook内で新たに探し出します。既存の優良顧客と似ているユーザーを新規で獲得したい場合に最適です。

設定する際にターゲットとする類似オーディエンスのサイズを選択でき、サイズを小さくすると、より既存の優良顧客に類似したユーザーへ広告を配信します。
Facebook広告と相性がいいビジネス
Facebook広告は総人口の5人に1人が使っているSNSなので、さまざまな業種が求めるユーザーに広告を配信できます。

例えば不動産であれば、30代で既婚のユーザーにターゲットを絞り込んで配信をすることで効率的な広告配信ができるのではないでしょうか。
Facebook広告は幅広いビジネスと相性がいいと言えます。
広告配信にかかる費用
Facebook広告の課金形態は大きく2種類に分かれ、ユーザーが広告をクリックするたびに課金されるCPC課金と、広告が表示された回数に応じて課金されるCPM課金があります。
設定するキャンペーンに応じて課金形態が変わるため、広告を配信する目的にあったキャンペーン設定が必要です。
他の広告媒体の中には広告を配信するために必要な予算の下限基準が設けられていることもあるので、予算の下限が設けられていないFacebook広告は取り組みやすい広告です。
Facebook広告の最適化機能で成果を高めるポイント
日々の業務で忙しい方がFacebook広告の配信を成功させるためには、自動化を取り入れることが必要です。
Facebook広告は広告の生成と入札を自動的に最適化してくれます。
ダイナミッククリエイティブによる広告の自動最適化
広告の生成では、ダイナミッククリエイティブによって自動最適化が行われます。
ダイナミッククリエイティブは、設定された広告素材を自動で組み合わせて指定されたターゲット層に均等に広告を配信し、素材レベルでパフォーマンスを計測します。

広告の生成と配信は機械学習によって行われるため、配信量を増やすことで徐々にパフォーマンスの良い広告を特定し、優先して配信が行われるようになります。
キャンペーン予算の最適化による費用対効果の向上
キャンペーン予算の最適化とは、予算の設定を各広告セットレベルで行うのではなく、キャンペーンレベルで予算設定し、予算のアロケーションを機械学習に委ねることでキャンペーンの効果を高めるしくみです。
キャンペーン予算の最適化を使わない場合、広告予算は広告セットごとに設定され、入札競争で用いられる入札単価や日予算は広告セットごとに決まります。
商品やサービスには売れ筋が存在するため、売れ筋商品の日予算と入札単価を適切に設定できず、機会損失が発生してしまう恐れがあります。

キャンペーン予算の最適化を使うことで、広告予算はキャンペーンに設定され、日予算に対して最大の成果を得られます。
売れ筋配信を自動で強化し、売れ行きが悪い商品の配信は自動で抑制されるため、運用担当者が日予算と入札単価を調整する手間を省けます。
まとめ
ここまでFacebook広告の特徴を簡単にまとめてみました。
広告にはじめて取り組む方にFacebook広告をおすすめする理由が理解できたかと思います。今回紹介したFacebookの特徴や強みが少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。
Feedmaticブログでは今後もFacebook広告をはじめ、CriteoやGoogle広告について最新情報やお役立ち情報を発信してまいります。