日常的にオンラインショッピングを楽しむ中で、以前気になって見たことのある商品や自分の好みにマッチした商品の広告が表示された経験がある人は少なくないのではないでしょうか?

このように、ユーザーが閲覧した商品や興味・関心にあわせて、広告に表示される商品が動的に変わる仕組みの広告をダイナミック広告といいます。(データフィード広告と呼ばれることもあります。)

ダイナミック広告の特徴やしくみ、種類から広告効果を改善していくための重要な考え方まで、ダイナミック広告に関するあれこれを幅広くご紹介していきます。

ダイナミック広告とは?

ダイナミック広告とは、ユーザーが閲覧した商品に合わせて最適化された、1人1人に異なる広告が表示される仕組みの広告を指します。
ダイナミック(動的)広告とは反対に、どのユーザーにも同じ広告バナーを表示する広告をスタティック(静的)広告と言います。

スタティック(静的)広告との違い

例えばアパレルECサイトでスニーカーAという商品を閲覧したとします。
その後、Googleのページを見ている時やFacebookを開いている時に先程見たスニーカーAやスニーカーAと近しいスニーカーBを広告として表示することができるのがダイナミック広告です。

ダイナミック広告では、広告として表示された商品ごとに、遷移先URLをそれぞれの商品詳細ページに設定することが可能です。

Facebookダイナミック広告のクリエイティブイメージ
Facebookダイナミック広告のクリエイティブイメージ

ダイナミック広告の効果

アパレルECサイトのような商品点数が多いサイトでは、スタティック広告と比較してダイナミック広告の方がCTR / CVRともに1.2倍ほど高い効果がある場合が多いです。
※商材によって数値は変動します

参考)ダイナミック広告で5倍のCTRを達成 イーアイデム | Facebook for Business
https://www.facebook.com/business/success/aidem-jp

閲覧した、またそれに類似した商品を、商品単位で訴求することでCTRの上昇が見込めます。
さらに、広告クリック後には、購入に近い商品詳細ページに遷移することでCVRの上昇が期待できます。

ダイナミック広告の仕組み

ではなぜユーザーが閲覧した商品ごとの広告を表示できるのでしょうか?

ユーザーがアパレルECサイトのスニーカーAの商品ページを訪れた際に、「スニーカーAの商品ページを見た」という情報(正確には商品ID)をタグが広告プラットフォーマー(GoogleやFacebook、Criteoなどの広告媒体)に送信しています。

すると、広告プラットフォーマーは事前に登録されているデータフィード(商品タイトルや商品画像、価格などの商品データ群)から、ユーザーが閲覧したスニーカーAやスニーカーAと近しいスニーカーBの商品広告を表示することができるという仕組みになっています。

ダイナミック広告配信の仕組み
ダイナミック広告配信の仕組み

ダイナミック広告のメリットとは?

ダイナミック広告のメリットは大きく下記の3つになります。

  • ユーザーごとに最適化された広告配信が行える
  • カルーセルフォーマットにより、複数の商品を表示できる
  • 購入や求人の応募などCVに直結する施策である

ユーザーごとに最適化された広告配信が行える

ダイナミック広告では、どのユーザーがどんな商品(商品詳細ページ)を閲覧したのかを判別して広告配信を行うことができます。

そのため、ユーザーにとっては自分と全く関係の無い広告が表示されるわけではなく、閲覧したことのある商品など、自分と関連のある広告が表示されます。

カルーセルフォーマットにより、複数の商品を表示できる

広告上で複数の商品を表示できるカルーセルフォーマットが利用できるため、ユーザーが閲覧した商品Aの他にも、商品Aと近しいカテゴリ(アパレル系であればアウター、シューズなど)や価格帯、カラーの類似商品をレコメンドとして広告上で同時に表示することができます。
類似商品を提示することでクリックしてもらいやすくなります。

購入や求人の応募などCVに直結する施策である

ダイナミック広告の最大の魅力はやはりCVに直結するということではないでしょうか。
広告上では商品単位で訴求でき、クリックするとその商品の詳細ページへ遷移、あとはそのまま購入するだけなのでユーザーが離脱するポイントが少なく、CVに繋げやすいのです。
ダイナミック広告が獲得型の広告施策と言われているのはこういった魅力からでしょう。

ダイナミック広告はリターゲティングだけじゃない

ダイナミック広告というとリターゲティング広告のイメージが強いですが、実はサイトへ未訪問の新規ユーザーに対しても配信することが可能です。

新規ユーザーの場合はサイトへ訪れていないため、どんな商品を閲覧したのか?という情報がありません。
そのため、新規ユーザーと近しい属性(年齢や性別、趣味・関心など)のユーザーがよく閲覧している商品が優先的に表示されます。(どんな属性データを新規ユーザー配信に活用しているかは広告媒体によって異なります。)

リターゲティング配信と比べて新規ユーザー配信の方がCVRは落ちますが、新規のユーザーに対してもCVに直結する導線を持った広告配信ができるので、新規ユーザー向けの配信としてもダイナミック広告は多くの企業様で活用されています。

ダイナミック広告の種類:出稿できる広告媒体

ダイナミック広告を配信できる主要な広告媒体を4つご紹介します。

Criteo

ダイナミック広告の代表格です。
日本人のインターネットユーザーの約90%が月に1度以上はCriteo広告に接触していると言われているほど幅広いリーチ率を誇っています。

Yahoo! JAPANの広告枠をはじめ、世界中の多数の広告ネットワークと提携しており優良な配信先を多く有しています。

Criteoはリターゲティング広告で有名ですが、今日では Criteo Customer Acquisition や Consideration といった新規ユーザー向けの配信メニューも用意され、新規ユーザーの獲得からリターゲティングまでフルファネルで広告配信できることが特徴です。

Facebook/Instagram ダイナミック広告

Facebookはユーザーの正確な属性データを多く有しており、ユーザー属性の判断を推測に頼ることが少ないためターゲティングの精度が非常に高いことが特徴です。

また、ユーザーをCookieではなくFacebook IDベースで特定し広告配信を行っているため、ITPの影響を受けにくい広告媒体として改めて注目されています。

LINE Dynamic Ads

8,400万人以上のユーザーにリーチすることができるのがLINE Dynamic Adsの最大の特徴です。 日本最大のSNSであるため、他のSNSではリーチできないユーザーにもアプローチできることが魅力です。

また、LINE公式アカウントの友だちやブロック中の友だちへの配信や広告識別子を活用した広告配信が可能な点も特徴です。

Googleショッピング広告(旧:商品リスト広告、PLA)

Googleショッピング広告とは、ユーザーが検索したワードに連動して表示される「検索連動型広告」のひとつで、EC事業者の間で非常に人気の高い広告メニューです。

Google検索、ショッピングタブ、Google画像検索の検索結果画面のユーザーの目の止まりやすい位置にテキストと画像による広告が掲載されるため、テキストだけの広告と比較して、クリック率が高い傾向があります。

ECサイト事業者様にとってはマストで対応したい広告施策と言えるでしょう。

GDR(Google動的リマーケティング)

Googleが提供するリターゲティング施策で、200万以上のウェブサイトへ出稿できるリーチ力が魅力の一つです。

既存顧客向けのリターゲティング施策だけでなく、Googleのデータを活用した新規ユーザー向けのアプローチも可能になっています。

SmartNews Dynamic Ads

SmartNews Dynamic Adsは、 ニュースアプリとして日本最大のユーザー数を誇るSmartNews内に、記事に自然に溶け込む形(ネイティブ広告)で配信されるダイナミック広告です。

ユーザーの行動履歴に合わせて、1人1人に最適な広告クリエイティブが自動で配信されるため、スタティック(静的)広告と比較して高いCTRやCVRを期待することができます。

RTB HOUSE

RTB HOUSEは、粒度の細かな要素レベルの情報を判断/判別するディープラーニング型の学習技術を活かしたダイナミック広告配信で注目される広告媒体です。
2020年1月には購買ユーザーや自社の顧客に類似した未接触ユーザーへの配信が可能になりました。

ダイナミック広告出稿するために必要な要素

ダイナミック広告の出稿において必要な要素は以下の2つです。
・データフィード
・タグ

データフィード

Criteo、Facebook、Googleなど広告媒体によって商品データを入稿する際のフォーマットが異なります。
そのため、データフィード(商品データを各広告媒体に適した形に整形したもの)が必要になります。

ユーザーが商品を閲覧すると、データフィード内の商品IDを参照して商品単位の広告(ダイナミック広告)が作成されるため、ユーザーが閲覧した商品がデータフィード内に存在していることがダイナミック広告では大前提となります。

タグ

タグはユーザーがどの商品のページを閲覧したのかを認識するために、商品IDを動的に取得できるダイナミック用のタグを実装する必要があります。

タグはもちろん、商品詳細ページだけではなくTOPページや商品一覧ページ、カートページなど、基本的に全てのページに実装することが推奨されています。

基本的にダイナミック広告では、タグで取得したユーザーの行動情報とデータフィード内の商品情報によって広告が最適化される仕組みになっています。
そのためタグとデータフィードのどちらか一方でも不備があると広告配信の最適化が正しく働かなくなるため、この2つはダイナミック広告の要と言える大事な要素になります。

ダイナミック広告の改善方法

ここまではダイナミック広告の概要や出稿方法について解説してきました。

ここからは実際に広告を運用していくうえでの改善方法について触れたいと思います。
ダイナミック広告を運用・改善していくうえで大切なポイントは以下の3つです。

・データフィードとクリエイティブの関係性
・適切なタグの設計
・出稿媒体の特徴を理解する

データフィードとクリエイティブの関係性

データフィードは広告のクリエイティブ(表示)に影響します。

データフィードに入っている商品画像、商品タイトル、価格などが広告として表示されるので、クリエイティブを変更したい場合にはデータフィードを変更しなければいけません。

データフィードとダイナミック広告のクリエイティブ
データフィードとダイナミック広告のクリエイティブ

例えば、先月は3%だったCTRが2%に落ちたとしましょう。
CTRは広告が表示されてからクリックされる割合なので、CTRが悪いということは広告クリエイティブがユーザーの興味関心を惹けていないと言い換えることができるでしょう。

そこで、広告クリエイティブを修正したい場合にはデータフィードを修正する必要が出てきます。

低価格やセール品が多いサイトであれば割引率の表示が行えているか、アパレル商材であればブランド名を商品タイトルの先頭などユーザーの目を惹く位置に表示できているか、などの商品の魅力をクリエイティブに表示できているか、という点は基本的な改善ポイントになります。

スタティック広告であれば広告文やバナーの差し替えを行うと思いますが、ダイナミック広告の場合はクリエイティブの修正 = データフィードの修正となるため、データフィードはダイナミック広告において非常に大切な要素になります。

適切なタグの設計

広告に表示される商品は広告媒体の機械学習によって、誰にどの商品を表示させるかを決定しています。

誰にどの商品を表示させるか、という広告媒体の機械学習の精度を向上させるためにはタグが非常に重要です。

タグは、どのユーザーがどのページ(商品)を閲覧して購入に至ったのか、または購入に至らなかったのか、などのユーザーのサイト上での行動データを広告媒体へ送信しています。

このようなユーザーのサイト上での行動データを正しく学習させることでターゲティングの精度が向上し、広告効果の改善に繋がります。

出稿媒体の特性を理解する

広告エンジンの機械学習を最適化するためには1キャンペーンあたりどれくらいのCV数がどれくらいの期間内にあれば良いのか?など、広告媒体によって広告エンジンの最適化に必要なCV数も異なります。

広告媒体の特性を正しく理解できていないと、工数をかけて行った改善施策が無駄になってしまうこともあります。

広告媒体の特性を理解することもダイナミック広告の活用においては避けては通れないと言えます。

さいごに

ダイナミック広告の仕組みから広告配信した際の改善ポイントまで、ダイナミック広告について幅広く解説してきました。

これからダイナミック広告を始める方も、現在すでに活用中の方にもご参考になれば嬉しいです。